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大阪・関西万博にも参画! 関大のSDGs推進プロジェクト。独自のパートナー制度で「産官学連携」を加速

/副学長 社会安全学部 高橋智幸教授

 関西大学では、2018年から「SDGs推進プロジェクト」を設置し、国連が掲げるSDGs(Sustainable Development Goals)の推進に積極的に取り組んでいる。SDGsへの社会的注目が高まるなか、開始から3年目を迎え発展を続ける本プロジェクトについて、副学長の高橋智幸教授が語った。

SDGsは、個別の課題に対して連携して取り組むための有効な"枠組み"だ

 関西大学は「学の実化」(学理と実際との調和)を教育理念として掲げ、各学部・機関がそれぞれのテーマで社会問題の解決に取り組んでいます。SDGsという世界共通の目標が定められたことによって、やるべきことが明確となり、本学の教育・研究・社会連携活動の幅は一層広がりました。

 SDGsが特徴的なのは、17のゴールが独立しているのではなく、それぞれが連携している点です。この視点を取り入れ、組織間で連携していくことが重要だと考えています。そこでまず、「KANDAI for SDGs推進検討ワーキンググループ」を編成し、個別に活動していた組織から代表者を集め、情報整理・協力する体制をつくりました。現状、学長の強いリーダーシップのもと、組織の壁を越えた全学的な活動が順調に進んでいると感じています。

関大SDGs

予想を上回る反響。関大独自の「SDGsパートナー制度」

 具体的なアクションとして制定したのが、「関西大学 SDGs パートナー制度」です。これは、本学のSDGsへの取り組みに賛同いただける企業や自治体、団体等と連携し、産・官・学協働の多彩なプロジェクトを展開していく制度です。2021年4月からパートナー募集を開始したところ、予想を大きく上回る反響がありました。

 パートナーとなる団体は実に多様です。大企業から地域密着型企業まで規模も幅広いですし、製造業や金融業、メディア、行政など業種・分野もさまざまです。なかでも嬉しいのは、卒業生からも申し込みがあったことですね。応募団体とは面談を重ね、順次パートナー登録に向けて調整を進めています。6月末時点で、11団体のパートナー登録が完了しました。

パートナー団体一覧(PDF)

 具体的なプロジェクト始動はこれからとなりますが、ありがたいのは学生が参加しやすい取り組みをご提案いただいていることです。学生が主体となり企業と協働することで、素晴らしい学びの機会にもなりそうだと期待しています。

 また、2025年に開催される大阪・関西万博に向けて、「TEAM EXPO 2025」プログラム/共創パートナーに参画したことも今年に入ってからの大きな動きの一つです。この万博ではSDGsが重要な柱の一つとなっており、SDGsを推進している大学として、また大阪にある私立大学として必ず参加すべきと、先駆け的に申請しました。

 約3万人の学生、13学部・15研究科の多様性、48万を超える卒業生ネットワークなど、本学が有する強みを活かして、大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」の実現を、協会と共に目指します。

学生が主役! ハイレベルな「SDGsアクションプランコンテスト」

 学生主体の取り組みとしては、今秋に「KANDAI×HOSEI SDGsアクションプランコンテスト2021」の開催を予定しています。昨年の11月に法政大学との共催で実施したイベントですが、2回目となる今年は、協賛企業が大幅に増え、注目度も上がっています。

 このイベントは、学生チームがSDGsに貢献する取り組みを企画・提案し、コンテスト形式で顕彰するものです。私も昨年審査員として参加したのですが、レベルの高さにびっくりしました。

2020年 SDGsアクションプランコンテストの様子

 何よりも、学生たちが真剣に、楽しみながら、取り組んでいる様子が印象深かったですね。あくまでも課外活動なので、これで単位がもらえる訳でもない。それでも皆「自分たちがやりたいからやる」という姿勢で取り組んでいて、課題設定からアイデア出し、事業の検証、プレゼンテーションまでしっかりプランニングされていました。教員の指導もほとんどなしでここまでできるのかと驚くと同時に、頼もしく感じました。

 昨年はオンライン開催だったこともあり両大学の学生間のコミュニケーションが取りづらかったのですが、今年は互いに質問し合えるような環境を整備したいと考えています。現在、法政大学を会場とした対面での開催を検討しており、動画のライブ配信も取り入れる予定です。

関西大学の学生とSDGsは、相性が良い

 私はこれまで国内外の複数の大学に在籍してきましたが、SDGsの取り組みと関大生は、とても相性が良いなと思っています。職人気質があるというか、及第点をとるだけではなく自分が興味を持ったところはとことんやってみたいという学生が多い。だから関大生なら、ゼミや研究室など学生同士が集える"場"と、アクションプランコンテストのような"きっかけ"があれば、SDGsという人類共通の課題に対して実力を十二分に発揮できるでしょう。

 一方で、「SDGsは知っているけど、自分が何をしたらいいか分からない」と感じている学生もまだまだいます。そういった学生に向けて、昨年度から「SDGs入門」「SDGs実践」という授業を開講しました。全学部・全学年が受講できる教養科目で、なかでも「入門」は全13学部の教員がリレー形式で講義を担当します。文理に関係なく、多角的な視点からSDGsを考えることができる内容で、今年の受講者は1,000人を超えました。私もその講義を担当する一人です。

 そして「SDGs実践」はさらに発展的に、自治体や企業の方をゲストスピーカーとして招き、実社会で取り組まれているSDGsの実践事例をベースに授業を展開していただきます。

 どちらも学生たちの関心が高く、質問の数が多いです。これらの授業がSDGsへの"考動"のきっかけとなれば良いなと考えています。

SDGs推進には、社会連携が欠かせない

 SDGsは学内だけで完結させるのではなく、社会と連携していくことが最も重要です。本学ではすでに産・官・学の協働事例が多数ありますが、今後は前述のSDGsパートナー制度を軸に、その連携をさらに加速させていくこととなるでしょう。

 この記事を読んでいる方にもぜひ「自分の仕事や興味関心のある分野で、SDGsにつながることは何か」と考えていただけたら嬉しいですね。私たち関西大学のリソースが、お役に立てるかもしれません。

高橋 智幸/副学長・教授(社会安全学部)
2010年より関西大学社会安全学部に着任。2020年10月より副学長。専門は津波や高潮、洪水など水災害に関する防災・減災。環境問題も時間スケールの長い災害と捉え、サンゴ礁再生や水力発電も研究対象としている。研究方法はAIやシミュレーション、実験、調査、観測と多岐にわたる。