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関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)キックオフセミナーを開催しました。

  千里山キャンパスで22日、東アジア文化研究の世界最高水準研究拠点「関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(Kansai University Open Research Center for Asian Studies:KU-ORCAS)」のキックオフセミナーを開催しました。

  KU-ORCASは、東アジア文化研究における世界最高水準の研究拠点を形成すべく、2017年4月に発足。本学は、江戸時代後期に開かれた漢学塾「泊園書院」をその源とする東西学術研究所を中心に、近年のグローバルCOEプログラムや、文化交渉学の提唱等におけるめざましい研究業績により、「東アジア文化研究の関大」として世界的に認知されてきました。KU-ORCASでは、長き伝統の中で培われてきた同研究の学術リソースと国際的学術ネットワークを基盤に、デジタル知識基盤社会に適合した「デジタルアーカイブ」を構築します。また同時に、「研究リソース」「研究グループ」「研究ノウハウ」の3つをオープン化し、これまでの学問領域や人の垣根を越えた新たな人文知の創造に向けて、世界に開かれたハブ機能を備えたオープン・プラットフォームを形成します。

  本セミナーは、千里山キャンパスと関西大学東京センターの2会場で、2元中継により実施。まず、KU-ORCASセンター長の内田慶市教授による開会挨拶があり、歴史的図書の重要コレクションを収容するバチカン図書館と、同館保有のアジア関係文献をデジタルアーカイブ化するための協定を今年9月に締結したことが報告されるなど、国際的な連携強化への取り組みの一例が紹介されました。続いて芝井敬司学長は、キックオフセミナーを封切りに、同分野における研究の益々の発展に期待を寄せました。

  講演会では、4人の講演者が登壇。永崎研宣氏(一般財団法人 人文情報研究所 主席研究員)は、「SAT 大蔵経テキストデータベース-東アジア文化研究デジタルアーカイブのオープン・プラットフォームとして-」をテーマに、仏教学におけるデジタル研究基盤構築への取り組みを紹介しました。続いて引原隆士氏(京都大学図書館機構長・附属図書館長)は、「京都大学貴重資料デジタルアーカイブ-画像データのオープンアクセスと流通促進-」をテーマに、京都大学における学術情報のオープン化について紹介し、デジタル化推進に伴うシステム面や運用面についての課題を解説しました。
  さらに、久永一郎氏(大日本印刷株式会社C&I事業部コンサルティング本部IM&Sコンサルティング室室長)は、「ルーヴル美術館・DNP共同プロジェクト"Louvrev-DNP Museum lab"鑑賞システムの開発プロセスと認知科学的実証(論文)の紹介」および「BnF(フランス国立図書館)所蔵天球儀・地球儀の超高精細3次元計測の技術紹介」をテーマに、大日本印刷の技術を駆使して取り組むデジタル化について説明し、今後のデジタル化がもたらす可能性を伝えました。最後に、文学部の中谷伸生教授が「デジタル・アーカイブの一事例-大坂の淀川図巻をめぐって-」をテーマに講演。中谷教授は、IT技術で実現した超高精細デジタル画像化された絵巻物を例示しながら、「アーカイブの推進は研究上プラスになる。デジタル化することで絵巻物の細部を鮮明に見ることを可能にし、新たな発見にもつなげられた。一方、実物を見ないと感じ取れないモノもある」とデジタル化成功へのエピソードや課題を伝えました。さらに、『浪花及澱川沿岸名勝図巻』(大岡春ト作)を大型モニターに映し出し、絵巻物に描かれた当時の大阪と京都のまちを解説しました。
  KU-ORCASでは、今後もデジタルアーカイブ化を進め、東アジア文化研究を中心とした人文学の新しい姿を探ります。


KU-ORCASウェブサイト




  • KU-ORCASキックオフセミナー

  • KU-ORCASキックオフセミナー内田慶市教授

  • KU-ORCASキックオフセミナー芝井敬司学長

  • KU-ORCASキックオフセミナー永崎研宣氏

  • KU-ORCASキックオフセミナー引原隆士氏

  • KU-ORCASキックオフセミナー久永一郎氏

  • KU-ORCASキックオフセミナー中谷伸生教授

  • KU-ORCASキックオフセミナー