関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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関大メディカルポリマー(KUMP)シンポジウムを開催しました。

梅田キャンパス"KANDAI Me RISE"で14日、2016年度文部科学省私立大学研究ブランディング事業(タイプB)に選定された「KU-SMART PROJECT」のキックオフイベントとして、「関大メディカルポリマーシンポジウム~『人に届く』関大メディカルポリマーによる未来医療の創出~」を開催しました。

「KU-SMART PROJECT」とは、本学発の革新的医用高分子材料「関大メディカルポリマー(KUMP)」を基軸に、3つのM(Materials、Mechanics、Medicine)で、人に届く医療器材および治療・診断システムの開発を通した社会貢献をめざすプロジェクトです。「KUMP」が持つ、「温度などを感知・認識して形を変える」「溶液からゲルに変化する」「体内において狙った速度で分解吸収される」といった性質によって、治療と診断における患者の肉体的・精神的・経済的負担を軽減させることを可能にさせます。

同プロジェクトは、2004年に本学先端科学技術推進機構内に創設した医工薬連携研究センターが、医薬学系大学や医療機関と連携しながら積み上げた研究実績をベースに、大阪医科大学との医工連携体制による共同研究という形で2016年から始動しました。現場の臨床医からのニーズに基づいて、医療用の材料・システムを開発、さらには国際競争力のある医療機器として製品化し、臨床現場(人=患者と医師)に届けることを目的としています。具体的には、現在「内視鏡下で使える癒着防止材・止血剤」や「軟骨・半月板を再生する足場となるポリマーゲル」の開発等に着手しています。

シンポジウム当日は、本プロジェクトメンバーによる最新の研究紹介等を通じて、本取組みがいかに患者の負担軽減に寄与し、また本学が得意とする「ものづくり」がどのように医療の発展に貢献できるかを広く社会に向けて発信しました。

まず基調講演では、東京大学大学院工学系研究科の石原一彦教授が登壇しました。石原教授は、「先端バイオマテリアル研究から誰もが使うデバイス技術へ」をテーマに、MPCポリマー(リン脂質極性基を有するポリマー)の特性を解説。また、「すでに化粧クリームやコンタクトレンズ保存液の開発などにも応用されている」と、幅広い分野での活用事例を紹介しました。つづいて、本学ならびに大阪医科大学のプロジェクトメンバー6人が順に登壇し、実用化を意識した医工・産学連携および事業化に向けた取り組みや、具体的な医療製品開発の経過報告が行われました。研究代表者である本学化学生命工学部の大矢裕一教授は、「生分解性スマートポリマーの設計と医療応用」をテーマに、KUMPがいかにして医療分野へ貢献できるのか、その実用化に向けた可能性と今後の展望を示しました。

本学では医療の進歩のための革新的技術を開発すべく、先端科学技術推進機構・医工薬連携研究センターを中心に、KUMPを活用した医療器材の開発および人材育成に努めていきます。

「KU-SMART PROJECT」特設サイト

  • 関大メディカルポリマー東京大学大学院工学系研究科 石原一彦教授
  • 関大メディカルポリマー関西大学化学生命工学部 大矢裕一教授
  • 関大メディカルポリマー