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スポーツフォーラム2016を開催しました。

千里山キャンパスで18日、スポーツフォーラム2016(主催:関西大学・関西大学カイザーズクラブ・産経新聞社)を開催しました。

第1部では、リオ五輪女子重量挙げ銅メダリストの三宅宏実氏が「リオ五輪で私が得たもの」と題して講演。本学社会学部の黒田勇教授との対談形式で、競技を始めたきっかけからメダリストになるまでの苦悩など、トップアスリートならではの貴重な話が繰り広げられました。なかでも同じく五輪メダリストである父親の話が頻繁に話題に。三宅氏は「競技を長く続けていると指導者である父と対立することも当然あるが、結局試行錯誤で回り道をした後、父の言うとおりであったことに気づく」と父との関係性や指導者の大変さについて語れば、「父を超えたか」との問いには、「メダルの色は関係ない。指導者(父)にはやはり勝てないというのが今も正直な気持ち」と完敗を宣言。次の東京五輪の話題になると、「東京がなければ引退している。自国開催の五輪で更なる夢を実現できるよう、年齢に負けずにしっかりそこをめざしたい」と力強く発言し、「4年後の自分がどうなっているか楽しみ」と自らに期待を込めました。

第2部では、北京五輪銅メダリストの朝原宣治氏、世界空手道選手権大会2連覇中の清水希容選手(本学OG)、セレッソ大阪スポーツクラブ理事の宮本功氏の3人を加えて、パネルディスカッションを実施。「世界に挑むトップアスリート~育てる力 育つ力~」をテーマに、トップで戦うために必要な準備や指導方法について意見が交わされました。

「競技を楽しみ、自己新記録を出すことの喜びがモチベーションの大きな要素になる」と、三宅氏がスポーツに向き合う姿勢を示せば、朝原氏は国や人により指導方法が大きく異なる事例を紹介したうえで、「身体的なアドバンテージを持つ海外の選手に対抗するには、日本人特有の繊細さやコンディションを試合時にピークにうまく持っていく技術、精神のあり方が重要」と、世界の第一線で戦い続けてきた経験に基づいた持論を説きました。

「"形"は自分との闘い。練習も試合も、相手を想像して行う。やればやるほど技に"味"が出てくる」と空手の"形"というフィールドで戦う清水氏は、実は大学在学中に制した世界大会で空手を辞めようと考えたことがあるというエピソードを吐露。それでも東京五輪の新種目として採用されたことなどをきっかけに、「さらなる高みをめざし、そこを照準に過程を大切にしていきたい」と抱負を語りました。

さらに宮本氏は、トップアスリートを育てる立場として「世界で勝つために必要なことをきちんと逆算して分析する」と、取り巻く環境から育成の方法などについて根本となる考え方を提示。そして「これからスポーツを始める子どもたちには、世界に行って、また戻ってきてほしい。その循環が強い土壌をつくる」と、感謝の気持ちを軸にした循環のシステムが構築されるようスポーツ界への期待と希望を語りました。

最後に黒田教授は、「"感謝"や"思いやり"、"忍耐力"、"逆算"が今日のキーワードではなかったか。スポーツは楽しむことが何よりも大切だが、気持ちの部分と目標への道筋をしっかり立てる"逆算"が、スポーツをいろんな意味で高い次元に押し上げる要素ではないか」と、本フォーラムを締めくくりました。

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