関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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2024年 新年のご挨拶

  みなさん、あけましておめでとうございます。

  コロナ禍は私たちの社会に大きな犠牲や影響を残しながら終焉の時をむかえているように感じます。コロナ禍前と同様に、皆様におかれましては、今年こそは、つつがなく新たな年をむかえられたこととお喜び申し上げます。

  このようにご挨拶を申し上げたところで、元日夕刻に石川県能登地方で大きな地震が発生しました。詳細は確認中とのことではありますが、被害に遭われた皆様に心よりお見舞い申し上げます。

  さて、世界情勢を見ますと、ロシア軍によるウクライナ侵攻は終わりを見せる気配もなく、新たに中東ではイスラエルとガザでの惨事が生まれました。多くの罪のない犠牲者が毎日のように生まれております。アフリカにおいても内戦を含めた、様々な紛争が多くの人の命を奪っています。このような現実にもかかわらず、世界社会は、それを見つめることしかできていません。世界社会の無力さ、矛盾を感じざるを得ません。

  同時に、持続可能な世界社会の構築を目指したSDGsに代表される諸問題も、私たちへの宿題として課されています。

  また、少子化が進む日本社会を見ますと、生産労働人口の低下や特定分野での人材不足など、社会を支える基盤の強化が望まれます。国を挙げた、高等教育への支援策や大学院における授業料の後払い制度の開始は、高等教育に携わるものにとって、強い支援となっていることは事実です。

  このような背景の中で、日本の社会が求める人材、グローバルな社会を支え、先導する人材を育成することが関西大学の使命です。高等教育機関として、研究機関として、このような諸課題にどの様に立ち向かうのか、「学の実化」の原点に立ち返って、関西大学としての施策を考える必要があると思います。

  そのような中、昨年は、科学技術振興機構(JST)の「次世代研究者挑戦的研究プログラム」や文部科学省の「大学の世界展開力強化事業」が採択され、また、JSTの「革新的GX技術創出事業」の委託なども受けました。学内では、学内研究費制度の大きな改変、図書費の大幅な増額などを行い、各学部、研究科のカリキュラム改正、アセスメントへの取り組みや各種プログラムの開発などと共に、大学全体の教育力、研究力強化が実行されています。

  本年は、このような昨年までの諸活動を踏まえ、関西大学が伸張する年にしたいと思います。

  吹田みらいキャンパスでは、国際共修の場としての寮KU G-Houseもスタートし、その活動が本格化します。この機会を捉えて、学園全体で国際共修教育や多文化共生社会の意義を見つめ直し、世界平和を考える時が来ています。このことが、未来の世界の惨事を食い止める一助になるものと信じます。

  既存学部でのデータサイエンス教育の強化に加えて、本年はビジネスデータサイエンス学部(設置構想中)の準備も最終段階に入ります。既存学部との相乗効果、既存学部の意義やこれまでの成果を示し、産業界での先端IT人材不足の一助となるように、関西大学全体としての存在感を発信して行きたいと思います。

  関西大学は創設から138年目、大学昇格から102年目に入ります。現役の学生、教職員、そして、校友会や後援会をはじめとする、ご支援をいただいている多くの諸団体の皆様共々、心を一つにして、関大ファミリーとして、大きな視点から関西大学の隆盛をはかりたいと思います。新たな年を、実り多い、辰年にちなんで、上昇の年にして行きたいと思います。皆様方のご理解とご支援を心よりお願い申し上げます。

  今年も、昨年と同じことをお願いすることになりますが、それぞれの部局で、いままでの枠を超えた、新たな視点から、新たな取り組みを提案、スタートしていただきたいと思います。

  変化することで見えてくる未来があります。変化を恐れずに果敢に挑戦する。変化は勇気であり、力になります。

  今年1年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。


2024年 初春

関西大学学長
前田 裕
前田裕学長
2024/01/02 15:00 更新

2024/01/01 00:00 UP

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