関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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教育・学習におけるChatGPT等の生成系AIツールへの対応について

  今般、ChatGPT等をはじめとする生成系AIツールは、私たちの社会の様々な場面において活用されています。このようなAIの技術革新は、教育研究活動のみならず、社会のあらゆる事象にイノベーションを起こし、作業の効率化等の効用をもたらし、私たちの社会の進歩に貢献することが期待されています。また、教育の場面においても学生の学習効果を高める可能性も有しています。しかしその一方、その生成されたものについては、いまだ課題も多く存在し、私たちは、生成系AIツールの可能性と限界を理解する必要があります。

  生成系AIツールは、機械学習アルゴリズムに基づき、テキスト、画像、音声などのデータを生成するツールの総称です。生成系AIツールの機能としては、チャットボットや文章生成、翻訳、質問応答、画像生成、音声合成などがあります。また、生成系AIツールは、自然言語処理などの技術により、さらに複雑な生成を達成することができます。
本学における教育・学習におけるChatGPT等の生成系AIツールへの対応については、その技術革新の人類への貢献に可能性を見いだしつつ、教育研究機関として一定の課題が存在することも認識するものであり、教員の教育活動や学生の学習活動をすすめるにあたり下記の留意事項についての理解や啓発をすすめていきたいと考えます。

・生成系AIツールは、教員の教育活動の質的向上や業務の効率化に寄与する可能性を有するものです。また、学生が学習を進めるにあたり、生成系AIツールを活用することによって自らの思考を整理し、対話形式によって学習内容の理解をすすめることは、学習効果を高めることが期待されます。

・ただし、その生成された文章、翻訳、質問応答等には、精度が高い情報から、誤り、剽窃等を含むものまであり、その評価は信頼できるものには至っていません。私たちは、教育活動や学習活動をすすめるにあたり、生成されたものに対する検証や評価をすることが常に必要です。そのためには、生成系AIツールを正しく活用するためのスキルを身につける必要があり、倫理的な問題についても理解しなければなりません。

・また、その生成された文章、翻訳、質問応答等には、個人情報や機密情報の漏洩、セキュリティ上の課題が存在していることも認識しておく必要があります。生成されたものの取扱いは、慎重であることが求められます。また、自身が生成系AIツールに情報を入力する際には、これらの点について十分注意することが必要です。

  生成系AIツールは、私たちにあらためて高等教育機関における自身の思考による主体的な教育活動や学習活動の本質的な意義を問うものであり、その生成物をもって教員や学生の活動成果を代替するものではないことを理解しておく必要があります。本学としては引き続き生成系AIツールの活用について、検討を進めて参ります。

以 上

副学長(教育推進担当)

2023/04/17 16:00 UP

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