関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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新年を迎えてのご挨拶

  一昨年から続くコロナ禍で、皆様におかれましては、どのように新しい年をお迎えになられたでしょうか。このコロナ禍が、私たちの生活様式の変容をもたらしています。複雑な思いで、新年を迎えられた皆様も多いのではないでしょうか。

  昨年も関西大学にとって厳しい一年でした。その中、大学、学生のための「Kan-Dai学生サポート募金」をはじめとする支援活動に際しまして、関西大学校友会、関西大学教育後援会をはじめ、多くの関係者、教職員の皆様にご理解とご賛同をいただきました。この場をかりて、厚く御礼申し上げます。

  さて、コロナ禍を含めた激動の時代、少子高齢化をはじめ多くの課題に日本社会は直面しています。日本社会が近未来に目指さなくてはならない多文化共生の社会で、先導的な役割を担う人材の育成こそが関西大学の使命であると考えます。
  関西大学は「関西大学ダイバーシティ推進宣言」を出し、多様な背景を持つ学生・教職員が協働し、「ともに生き、ともに学ぶ」キャンパスづくりを推進しています。このことは、大学の多くの活動と関連しています。

  その中で、大学の国際化です。本学が活用しているCOIL(Collaborative Online International Learning)は、デジタル技術を活用した教育の先導的な事例として注目されています。これにも関連して、文部科学省は、「日本発オンライン国際教育プラットフォーム」、「Japan Virtual Campus(仮称)」事業を始めています。関西大学は、「Japan Multilateral COIL/VE Project (J-MCP)-多方向・多国間COIL/Virtual Exchange型教育プロジェクト」を提案し、「大学の国際化促進フォーラム」の幹事校として選定されています。学生に多文化理解を促す上でも、今後も推進していきます。同時に、各学部・研究科のダイバーシティ、国際化を進めていくための教育実践として、このような授業形態も積極的に導入いただきたいと思います。

  次に、昨年は、文部科学省の「デジタルを活用した大学・高専教育高度化プラン」では、「関大LMSで繋がる「今の学び」と「未来の自分」-学習環境の再構築とキャリア支援-」と「越える・広がる・交り合う-関西大学グローバルスマートキャンパス構想-」の二つの取り組みが同時に採択されました。関西大学のDX(Digital transformation)への取り組みが高く評価されました。これらの計画の実現を通して、コロナ禍後の高等教育のあり方を社会に対して提案していきたいと考えています。
  導入される機器・システムは、コロナ禍で学生と教員の双方に求められる、これまでとは異なる授業への取り組みを支えてくれるものです。遠隔授業、対面授業など多様化した授業形態のいずれにおいても、学生が主体となった学びが継続し、さらに発展するために、教育的な効果の観点から、これからの授業運営について検討を進めております。

  さて、データサイエンス教育の取り組みについては、すでに二科目を全学に向けて開講しております。今後、さらに二科目の開講を目指します。
  関西大学には、この分野を専門とする多くの先生方がおられます。すでに、これに取り組んでいる学部・研究科とも連携しながら、数理・データサイエンス教育コンソーシアム 近畿ブロック代表校として、学内での教育の充実に努めて参ります。また、「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定」に向けての準備を進めております。

  昨年、関西大学は、和歌山県、京都府と就職に関する協定を結びました。近隣県との、これまで以上のつながりは大切です。また、キャリアセンターでは、キャリアデザインラボの開設、自分の学びをキャリア選択に活かすシームレスな就職支援など、様々な支援の体制を構築しています。コロナ禍での企業のリクルート態勢の変化を受けて、学生諸君への指導・対応の強化も重要な視点となり、さらなる、きめ細やかな指導体制を目指したいと思います。
  さらに、大学院生のための支援も重要です。大学院修了後、様々な進路の選択肢があり、企業への就職についてはキャリアセンターからの支援が十分にあることが大切です。この点でも、キャリアセンターでのさらなる体制作りを進めていきます。

  そのような中で、関西大学は科学技術振興機構の「次世代研究者挑戦的研究プログラム」に20名の支援枠が採択されました。採用された博士後期課程の学生は研究活動に専念できる環境が整えられます。このことを契機に大学院のさらなる活性化についても提案をしていきたいと考えています。

  また、SDGsへの取り組みも、これからの大学教育の中では、絶えず意識し、重点を置かなければならない課題と捉えています。その中、関西大学 SDGs パートナー制度での登録団体は29団体となっています。企業、大学など様々な団体と、異なったテーマでSDGsの活動、プログラムが進められており、2025年のEXPOの大きなテーマがSDGsでもあることから、人類の解決すべき課題として、学生諸君とともに取り組んでいきたいと考えております。関西大学としての特徴ある方向付けを目指したいと思います。

  いま、大学を取り巻く環境は、益々複雑になっております。このような難しい状況の中から、新たな展開や発展を導くには、新しいことに挑戦し、変化し続けることです。

  変化を恐れずに挑戦する。変化は勇気であり、力になります。新しい年を迎え、皆様おひとりおひとりの新たな一歩をお願いし、年頭の挨拶とさせていただきます。本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。


2022年 初春

関西大学学長
前田 裕
前田裕学長

2022/01/01 00:00 UP

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