関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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新年のご挨拶~防災と減災の1年に~

  新年あけましておめでとうございます。

  皆様、おだやかなお正月をお過ごしのことと存じます。
  ここでは、関西大学でおこった旧年の出来事を少し振り返ってみましょう。
  昨年は本当に自然災害が多い1年でした。6月18日の大阪北部地震では、高槻市を震源とする最大震度6弱の地震が発生し、関西大学の各キャンパスでも、エレベーターが止まり、建物にクラックができたり、体育館の天井パネルが脱落したりして、安全確保のために2日ないし3日の休講を余儀なくされました。引き続いて中国四国地方を襲った7月豪雨がありました。9月4日には、風速50メートルを記録した台風21号が来襲し、こちらもキャンパスの木々をなぎ倒し、防水シートをめくり上げ、スレートを吹き飛ばす被害をもたらしました。また、9月6日には、北海道で最大震度7の北海道胆振東部地震がおこり、直後の全道におよぶ大規模停電が多くの住民を苦しめたのは、記憶に新しいところです。
  こうした多発する自然災害のなか、関西大学社会安全学部の先生方が、メディアにおいて積極的に発言されたことは、私たちにとって大変心強いことでもありました。また、9月15日には、「岡山の自然災害を考える」と題する講演会が多数の出席者を集めて開かれました。「最近の水害から岡山の洪水対策を考える」(社会安全学部・高橋智幸先生)と「人はなぜ避難指示に従わないのか」(同学部・元吉忠寛先生)というテーマでなされた2つの講演は、災害にたいする私たちの認識や対処に直接関わる大変印象深いもので、講演会の模様は後に山陽放送でも放映されました。
  10月27日には、読売テレビの人気番組「そこまで言って委員会NP」のスペシャル版が、関西大学で開催されました。熱心な一般の参加者多数をまじえて実施されたテーマは、「日本の安全は大丈夫!?  防災総点検SP」と題され、こちらも社会安全学部から4人の先生が登場し、最後は高橋学部長が討議の総括を行いました。社会安全だけが注目される時代は、けっして望むところではありませんが、一方で私たちが住むこの社会において、ますます「安心・安全」の価値が高まりつつあることを実感した次第です。
  他方で、30年以内の発生確率が70から80パーセントと想定されている、マグニチュード8から9クラスの「南海トラフ大地震」。私たちが、こうした大災害にたいする防災・減災活動を積極的に展開していくためには、自然災害や各種のリスクに賢く向き合う知恵を学び、防災意識を高め、具体的な準備行動につなげなくてはなりません。現代社会が、そういう現実のなかにあることを、強く感じさせてくれた1年だったのです。

  末筆ながら、本年が皆さまにとって幸多き1年になりますことを、いつも以上に心を込めてお祈り申し上げ、新年のご挨拶といたします。

2019年元旦

関西大学学長
芝井 敬司
芝井敬司学長

2019/01/01 00:00 UP

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