ポール・クローデルのサイン

関西大学の発展と隆盛を心から
お祈りいたします。 1922年5月27日 関西にて ポール・クローデル

文学部より
1924年、駐日フランス大使で詩人のポール・クローデル氏の勧めにより、関西大学文学部の前身である「文学科」が専門部に設立されました。
なぜ本学に「文学科」が必要だったのでしょうか。
法学部・商学部に始まった本学は当時、職業教育が中心で、学生たちは哲学や文学を深く研究する機会を持てないでいました。
これに対し、当時の経営陣は、全ての学科の学生が哲学や歴史・文学などに感化され、人間性を涵養し、豊かな感性を育むことが大切だと考え、文学科を設立し、本学を総合大学とすることで「真の人間」を育成しようとしました。
それから100年。先行きが不透明な現代社会においても、当時と同じように、実社会で必要とされる知識や技能を身につけることと同時に、改めて心の豊かさが求められているのではないでしょうか。
関西大学文学部では、100年にわたる歴史の中で、その両方を育むことを大切にしてきました。
次の100年に向けて、大阪という歴史と個性的な文化に恵まれた環境で、学生一人ひとりが、人文学の森を探検しながら感性や個性を呼び覚まし、豊かな人間性を育むことのできる、そうしたさらに魅力あふれる学部を目指していきます。
MESSAGE

文学部100周年記念事業実行委員会委員長よりメッセージ

文学部長 多賀 太文学部100周年記念事業実行委員会委員長
多賀 太

文学部での学びの特徴の一つが、「温故知新」(古きを温(たず)ね新しきを知る)です。文学部で学ぶ人文学は、とかく実用性に乏しいと思われがちですが、実は、そのときどきの様々な社会的要請(ニーズ)に応えるアイデアの種(シーズ)が詰まった知の宝庫です。
変化が激しく価値が多様化する現代社会においてこそ、人類の叡智が凝縮された人文学を学ぶ必要性が高まっています。
関西大学文学部では、創設以来100年にわたり、言語と文学、思想と文化、歴史と地理、教育と心理といった多様な切り口から、「人文学」という深い知の森に分け入り、これまでの人類の営為や人間社会の有り様を学び、捉え直すことを通じて、未来を切り拓き、新しい価値を創造する人材を育てることを目指してきました。
2004年からは、一学科多専修制という当時としては画期的なカリキュラムを採り入れ、幅広い人文学的教養の涵養と深い専門性の追求を両立させる学びの機会を提供してきました。現在、伝統的な人文学の伝統を守り伝えながらも、これからの学生の関心や社会的要請に応えられる領域複合的な研究・教育を新たに展開すべく、教育体制の再編に向けて着々と準備を進めているところです。
過去100年の歴史を礎としながら、100年先の未来を見据え、関西大学文学部はさらなる進化を遂げていきます。

INFORMATION

お知らせ

  • 「関西大学文学部創設100周年・関西大学博物館開設30周年記念連携企画展「花開く大阪の文化」(4/7~5/31)
    企画展

    関西大学文学部は創設100周年、関西大学博物館は開設30周年を迎えました。文学部創設以来、数多くの研究者が研鑽を積み重ね、さらに学生・大学院生の育成に努めてきました。同時に人文学の研究資料として多数の典籍・古文書・絵画・考古資料などを調査・収集して研究を進めてきました。その一部は関西大学図書館・博物館に集積されています。
    今回の展覧会では、大阪に関わる作品・資料を中心に4つのテーマから文学部100年の歩み、博物館30年の探求の成果を展示いたします。
    みなさまのご来館をお待ちしております。

    期 間:2024年4月7日(日)~5月31日(金)
    時 間:10時~16時(入館は15:30まで)
    休館日:日曜日・祝日(4/7、4/29、5/19は開館)
    場 所:関西大学博物館 特別展示室(関西大学千里山キャンパス 簡文館内)
    入館料:無料
    《関連イベント》
    ◆講演会
    時 間:13:00~14:30(開場12:30)
    会 場:関西大学博物館
    定 員:100名(申込先着順)
    参加費:無料
    申込方法:2次元コードまたは関西大学博物館HPのお知らせページから。
    4月1日から受付。

    2024年4月19日(金)
    「百舌鳥・古市古墳群の調査・研究の歩み」
    講師:井上主税(文学部教授)
    4月19日(金)の講演会のお申し込みはここをクリック

    2024年4月27日(土)
    「大坂の古典学 契沖・宣長から岩崎美隆へ」
    講師:乾 善彦(文学部教授)
    4月27日(土)の講演会のお申し込みはここをクリック

    2024.04.01

  • 文学部100周年記念シンポジウム
    シンポジウム

    2024年に文学部が100周年を迎えるにあたり、公開シンポジウムを開催します。
    文学部に所縁ある方々を登壇者としてお招きし、特にここ30年の歴史を振り返り、懐かしみながら、これからの文学部の展望を描きたいと思います。
    文学部卒業生の皆様をはじめ、少しでも懐かしく、興味深く感じてくださる皆様、ぜひ、新緑のキャンパス散策も兼ねつつ、お気軽にご参加ください。

    日 程:2024年5月25日(土)
    時 間:13時30分~16時30分
    場 所:関西大学千里山キャンパス
    1学舎1号館千里ホール

    詳細は添付のチラシをご確認ください。

    2024.04.01

HISTORY

文学部の歴史

  • 1886

    関西法律学校開校

    1886年 願宗寺で本学創立
  • 1905

    私立関西大学と改称

    1905年 江戸堀校舎
  • 1922

    千里山学舎竣成、大学令による関西大学として認可

    1922年の役員 1922年 大学設立認可申請書 1922年 予科校舎
  • 1924

    専門部に文学科を設置

    1924年 文学科が開講した福島学舎 専門部文学科開講記念行事 文学科開講式
  • 1925

    法学部を法文学部に改称、文学科を増設(1928年開講)

    法文学部がおかれた大学本館
  • 1948

    新制大学へ移行、文学部(国文学科、英文学科、哲学科)を設置

    1952年頃 新制大学発足当時 新制大学発足により男女共学となる
  • 1949

    史学科、仏蘭西文学科、独逸文学科、新聞学科を増設

    1949年 大学院学舎
  • 1950

    大学院文学研究科を設置

  • 1951

    東洋文学科を増設

    1953年 天六学舎
  • 1967

    東洋文学科を中国文学科に改称、教育学科を増設

    1967年竣工 大中教室棟(現 第1学舎2号館) 1967年竣工 語学棟(現 第1学舎3号館)
  • 1978

    史学科を史学・地理学科に改称、新聞学科廃止

    文学部新入生歓迎セミナー 1972年 高松塚古墳の壁画発掘 高松塚古墳発掘の指揮をとった網干善教助教授(当時・右)と末永雅雄名誉教授
  • 1994

    文学部創設70周年記念公開シンポジウムを開催

    公開授業の様子(文学部70周年記念) 公開授業立て看板(文学部70周年記念) 公開講演会の様子(文学部70周年記念)
  • 1998

    言語文学系の5学科を改称

    1992年 第1学舎4号館
  • 2004

    8学科を総合人文学科に改組、1学科多専修制に移行

    2008年竣工 第1学舎1号館
文学論集100周年記念号
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