関西大学 文学部

教員紹介

映像文化専修

  • 門林 岳史教授 Takeshi Kadobayashi

    • 教育内容

      映画に限らずテレビ、デジタル映像などを含む20世紀以降の映像文化、また、映画誕生にいたる19世紀の視覚文化など、幅広く映像メディアの歴史的展開をメディア論の視点から考察している。また、映画作品におけるテクノロジーの表象分析にも力を入れている。

    • 研究テーマ、概要説明

      映像とメディアをめぐる近年の理論的言説を、とりわけマーシャル・マクルーハン以降のメディア論の展開に重点をおいて研究している。また、テクノロジーに向かう想像力の歴史的布置を言説や作品、文化表象の分析を通じて考察している。著書に『ホワッチャドゥーイン、マーシャル・マクルーハン?──感性論的メディア論』(2009)、訳書にリピット水田堯『原子の光(影の光学)』(共訳、2013)、マーシャル・マクルーハン『メディアはマッサージである──影響の目録』(2015)。

    • ひとこと

      目の前に見えているものの背後に広がっている世界を好奇心旺盛に探求してください。

  • 笹川 慶子教授 Keiko Sasagawa

    • 教育内容

      学部では「視聴覚的な情報」を読む能力を養うことを目標に、映像の基本的な用語や概念を学ぶ授業、大学院では日本映画の製作、配給、興行の近代化、ハリウッドなど外国映画の影響、新国劇や歌舞伎など舞台芸術との関係、テクノロジーと資本主義を考察する授業などを行っている。

    • 研究テーマ、概要説明

      20世紀、とくに20世紀前半の映画の産業史、文化史、美学史を研究。対象領域はおもに日本とアメリカであるが、韓国、シンガポール、台湾などのアジアも対象とする。中心テーマは映画産業の形成と文化交渉、映画配給のグローバル史など。著書に『近代アジアの映画産業』、『大阪映画文化の誕生』、共著に『アジア映画の現在――アジア映画の美学と産業』、共訳に宮尾大輔著『影の美学―日本映画と照明』、D.ボードウェルほか著『フィルム・アート――映画芸術入門』など。

    • ひとこと

      映画を通じて歴史や文化を学ぶ楽しさを知ってほしい。

  • 菅原 慶乃教授 Yoshino Sugawara

    • 教育内容

      学部では、「西洋」生まれの映画が「東洋」に伝来したことで生じたさまざまな興味深い現象にスポット・ライトを当て、国境や時代を越えた映画作品間の関係性を浮き彫りにすることを目指す授業を展開しています。同時に、映画をとりまく政治や社会制度、そして文化的環境についても目を向けています。大学院では主に英語圏で出版された映像研究の「良書」を講読することで、映像研究に必要な基礎知識の修得を目指しています。

    • 研究テーマ、概要説明

      専門は中国語圏を中心とする東アジアの映画史研究。文学史、文化史、産業史など多様な領域を横断する学際的アプローチからの実証的な映画史の再構築を目指しています。近年はとくに映画をとりまくさまざまな視覚文化の有り様にも関心を寄せています。著書に『映画館のなかの近代:映画観客の上海史』(晃洋書房、2019)、『越境の映画史』(堀潤之氏との共編著、関西大学出版部、2014)等。第8回太田勝洪記念中国学術研究賞受賞。

    • ひとこと

      映像を「見る」だけでは物足りないと思ったら、「読んで」みましょう。映像の「読み方」を知りたければ、映像文化専修の扉をノックしてください。

  • 堀 潤之教授 Junji Hori

    • 教育内容

      主に欧米と日本の映画を取り上げながら、学生にとって比較的身近な作品や事象を、一世紀以上におよぶ映画史・映像文化史における多種多様な流れに位置づけることで、現在を「歴史化」する力を養うことに力を入れています。

    • 研究テーマ、概要説明

      ヌーヴェル・ヴァーグ(とりわけ、ゴダールの作品群)を中心とするフランス映画の総合的な研究のほか、デジタル以降の映像芸術のありようを考察するニューメディア研究や、イメージをめぐる哲学的考察が主たる専門領域です。編著書に『映画論の冒険者たち』(木原圭翔氏との共編著、東京大学出版会、2021)、『ゴダール・映像・歴史』(四方田犬彦氏との共編著、産業図書、2001)、『越境の映画史』(菅原慶乃氏との共編著、関西大学出版部、2014)、訳書にアンドレ・バザン『オーソン・ウェルズ』(インスクリプト、2015)、レフ・マノヴィッチ『ニューメディアの言語』(みすず書房、2013)など。

    • ひとこと

      旺盛な好奇心を失わずに、自分の世界を拡げていってください。

  • 馬定延准教授 Jung-Yeon Ma

    • 教育内容

      多様な分野の言語が交差する、現代美術とメディア・テクノロジーの歴史とその社会的意義について考察し、それらを捉える批評的な視点を紹介します。

    • 研究テーマ、概要説明

      近年は、現代美術と映画の領域を横断する映像作品における時間と空間について研究しています。著書『日本メディアアート史』(アルテスパブリッシング、2014)、共編著書『SEIKO MIKAMI:三上晴子-記録と記憶』(NTT出版、2019)、論文「光と音を放つ展示空間-現代美術と映像メディア」(2019)、共訳書『Paik-Abe Correspondence』(Nam June Paik Art Center, 2018)など。

    • ひとこと

      「正直な絶望が希望のはじまり」という詩人の言葉を考えます。