関西大学 文学部

教員紹介

英米文化専修

  • 板倉 厳一郎教授 Genichiro Itakura

    • 教育内容

      イギリスの映画やテレビドラマについて教えています。映画やテレビドラマはトラウマや苦しみを、あるいは幸福感をどう表現しているのか考えます。そこで、個人の感情が文化的アイデンティティや集団的記憶と交錯しているのです。

    • 研究テーマ、概要説明

      専門はイギリスの現代小説。ゼイディ・スミスの研究では、日本英文学会新人賞佳作を受賞しました(2006)。最近の関心事はイギリスのアジア系移民の声にあります。特に、9.11やイスラム国、欧州難民危機やポピュリズムといった文化的状況におけるムスリムの声に関心を寄せています。同時に、児童文学や映画翻案の研究・教育にも力を入れており、『大学で読むハリー・ポッター』(2012)といった書籍も出版しています。

    • ひとこと

      Always look on the bright side of life!

  • ジェイムズ・カーワン教授 James Kirwan

    • 教育内容

      「文化とは」「ポップ・カルチャー」「広告」「ポップ・ミュージック」「ネイチャー思想史」「人生論」と、従来の授業に加え、「怪物について」「人と動物の関わりについて」の授業を新たに予定している。

    • 研究テーマ、概要説明

      主に美学で、これまでの著作には「文学理論」「美について」「高尚とは」「カントの美学」があるが、とりわけ美学の領域の中でも「嫌悪感」「グロテスク」「キッチュ」「鼓舞」などといったことに興味を持っている。
      現在研究中の「17世紀から現在までの、ヨーロッパ及びアメリカにおけるエキゾチシズム」に加え、「倫理観」「人生論における美学の役割」「文学の解釈」といったことにも関心を抱いている。

    • ひとこと

      意欲と自主性を持って授業に臨んでください。

  • 小林 剛教授 Go Kobayashi

    • 教育内容

      広い意味でのアメリカ文化研究を通して、現在のグローバル化した文化の背後にある「リアリティ」を見きわめる力と、メディア上を流れる多種多様なイメージを歴史的・構造的に分析する力の修得に主眼を置いています。

    • 研究テーマ、概要説明

      今まではアメリカ美術史に見られる「リアリズム」の系譜について絵画と写真を主な分析対象として研究してきましたが、現在は「文化資本主義」とも呼ばれる文化と経済の融合状態に大きな関心をもっています。非物質化・グローバル化していく新たな消費文化環境のなかで拡大している文化的体験の経済化は、21世紀の文化をもっとも特徴づけるものだと考えているからです。著書に『アメリカン・リアリズムの系譜』(2014)など。

    • ひとこと

      皆さんにとって「リアルなもの」とは何ですか? それは本当にそこにあるのでしょうか?

  • マーク・メリ教授 M. Meli

    • 教育内容

      ゼミや講義の中で、エコクリチシズムに基づいた文化論を教えています。人間の文化がどのように自然環境に影響されているか、そしてどのように自然環境に影響を及ぼしてきたかというテーマについて欧・米・日の比較をしながら考えます。特に自然観、環境倫理、自然の表象、環境問題、食文化などから内容を択びます。

    • 研究テーマ、概要説明

      環境哲学とエコクリチシズム(生態的文化批評)を方法論的なベースにしながら、歴史的な自然観、特に日本の宗教、庭園、映画や食文化論の中で「自然」がどのように論じてきているかという研究。それにビールや日本酒などの世界の飲食文化の比較的研究。

    • ひとこと

      人間はどのようにこの地球の上で生きていくべきなのか?

  • ラファエル・ロンベール教授 Raphaël Lambert

    • 教育内容

      授業はアメリカ文化に焦点を置き、積極的な議論と小論文作成を中心に進めます。最近の新聞記事を扱う授業もあれば、現代のハリウッド映画や、アメリカの政治・歴史を考察する授業もあります。専修ゼミではアフリカ系アメリカ文化を題材としています。

    • 研究テーマ、概要説明

      研究としては、様々な文学作品を通して大西洋の奴隷貿易とコミュニティーの概念との関係性を探求しています。大西洋の奴隷貿易を考察する際に共同体という概念はそぐわないように思われがちですが、実際はこれまで完全に見落とされてきた奴隷貿易のある側面を理解するためにはきわめて有用です。奴隷貿易の時代に交易の原動力となり奴隷貿易を正当化した自由経済主義がふたたび世界を支配する今日、奴隷貿易へ新たな関心が向けられるとともに共同体の概念を再考する必要性が生じていることは単なる偶然ではないのです。

    • ひとこと

      読んで、読んで、読む。書いて、書いて、書く。

  • 井谷 聡子准教授 Satoko Itani

    • 教育内容

      ジェンダー、セクシュアリティ、人種、民族などアイデンティティを構成する要素とその政治性に注目し、「普通」や「らしさ」という考え方の裏にある権力・抑圧構造を見抜く批判的思考力を養い、“livable life”について共に考えます。

    • 研究テーマ、概要説明

      北米と日本の身体文化、スポーツにおけるジェンダーとセクシュアリティ、人種と民族の政治について研究しています。特に家父長制と異性愛主義、人種主義、植民地主義が現代のスポーツ文化をどう形成し、その中で「マイノリティ」の立場に置かれる人々がスポーツや自分の身体をどう経験するのかに注目しています。また現在は、オリンピックなどの「スポーツ・メガイベント」が社会で周辺化された人々に与える影響についての研究も進めています。

    • ひとこと

      「普通」や「らしさ」の枠組みに息苦しさを感じたことはありませんか?