関西大学 文学部

教員紹介

世界史専修

  • 池尻 陽子教授 Yoko Ikejiri

    • 教育内容

      14〜20世紀の東アジア史を中心に学んでいきます。いわゆる「中国史」の枠組みや、現代における「民族」・「国家」という概念にとらわれず、近世東アジアの歴史と社会を読み解いていくことを目指します。論理的思考や分析力を磨き、個々の関心を卒業論文としてまとめるサポートをします。

    • 研究テーマ、概要説明

      主に17・18世紀のチベット・モンゴル(オイラト)・中国の関係を、チベット仏教僧の活動やネットワークに着目して研究しています。チベット語・モンゴル語・満洲語・漢語といった多言語史料を用いて、激動の時代に民族や政治的枠組みを超えて展開しえた僧たちの歴史的役割を解明することに取り組んでいます。

    • ひとこと

      史料と向き合う楽しさを知ってほしいと思います。文字の向こうに色んなものがみえてくるはず。

  • 吹田 浩教授 Hiroshi Suita

    • 教育内容

      西洋の古代史は、外国の大学に比べて、科目の数が全く足りないため、学生は自力で勉強することが多くなります。本気でやろうとすれば、英語、ドイツ語、フランス語が必要。何とか英語文献だけでも読めば、いい勉強ができます。

    • 研究テーマ、概要説明

      古代エジプト史を中心に古代史の研究をしています。古代エジプトの文化史研究として、各種の古代エジプト語の文書を読みます。エジプトのサッカラ遺跡でフィールド調査も行い、古代エジプト時代の文化財の修復も行っています。文部科学省のプロジェクトなど各種の補助金によって、エジプト学と文化財科学を軸に文系学問と理系学問を融合して、総合的に研究しようとしています。

    • ひとこと

      誠実に努力して新しいものに挑戦しましょう。

  • 中村 仁志教授 Hitoshi Nakamura

    • 教育内容

      西洋世界の文化、さまざまな文物、制度などがどのようにして形成されてきたかを学んでいきます。
      西洋世界内部の諸勢力が互いにどのような影響を与えあいながら関係を結んできたのか、西洋世界と外部の世界とがいかにして接触し、交流してきたのか。これらについての学びを通して現代世界の形成について考えます。

    • 研究テーマ、概要説明

      15~18世紀を中心に近世のロシアについて研究しており、地域としてはロシア南部の辺境地域が主たる研究対象になっています。
      ロシアと周辺の諸国家や遊牧勢力とのかかわりのなかでロシア辺境地帯がどのような歴史的経緯をたどって形成されたきたのか、ロシアの南部辺境に生まれた人間集団であるカザーク(コサック)が近世以降のロシアの歴史にどのような影響をおよぼしてきたのかなどを中心に研究しています。

    • ひとこと

      好きなればこその学びです。

  • 森部 豊教授 Yutaka Moribe

    • 教育内容

      まずは、日本語で書かれた書籍を正確に読む訓練をし、正しい日本語でレポートが書けるように指導しています。研究の出発点なので。次に、世界史を研究する意味を考えて、学生と討論をしています。最後に、東ユーラシアの歴史に関心ある学生と共に、トピックを追って卒業論文の完成を目指します。

    • 研究テーマ、概要説明

      東ユーラシアという地域(中国・モンゴル・中央アジアを含めた地域の汎称)の歴史を、騎馬遊牧民の動きに着目しつつ研究しています。特に騎馬遊牧民化したソグド人たちが、中国の歴史に与えた影響を研究しています。最近は、契丹人の研究にも着手しはじめました。

    • ひとこと

      歴史研究は、部屋に籠るだけでなく、外へ(世界へ)飛び出そう!

  • 嶋中 博章准教授 Hiroaki Shimanaka

    • 教育内容

      近世・近代を中心としたヨーロッパ史を学んでいきます。ゼミ(演習)では、先行研究を踏まえて、自ら問題を発見し、自分の考えを文章(論文)にまとめる力を身につけることを目指します。講義では歴史学の歴史(史学史)をたどり、歴史研究とはどのような学問であるのか考えていきます。

    • 研究テーマ、概要説明

      17・18世紀の近世フランス史が専門分野です。とくに、ルイ14世時代の貴族と彼らが書き残したメモワール(回想録)について研究してきました。メモワールは作者の主観や主義主張、あるいは明らかな嘘も含まれており、文学作品として扱われることもある史料です。そのため、歴史研究と文学研究をつなぐ研究方法についても考えるようになりました。現在は「書く」という行為に着目して、絶対王政期の政治や社会について研究しています。

    • ひとこと

      本を読むことを日常の一部にしましょう。きっと風景が違って見えてくるはずです。

  • 橋爪 烈准教授 Retsu Hashizume

    • 教育内容

      前近代の西アジア、イスラーム世界の政治史や文化史を講ずると共に、アラビア語で書かれた歴史史料の読解方法を教授します。以上を通じて、学生には歴史学研究の一端に加わり、研究成果を挙げてもらえるよう指導します。

    • 研究テーマ、概要説明

      王や皇帝など、支配者が支配者でいられる理由、必要な条件は何か、ということに興味があります。その問題関心に基づき、前近代イスラーム世界において支配者として君臨・統治したアッバース朝のカリフを研究対象に設定しています。アッバース朝は何故500年も続いたのか、カリフの権力はどのくらい強大であったのか、またこの王朝の許で生きた官僚や軍人、学者や民衆はカリフとどのように関わり、またカリフをどのようなものと捉えていたのか、などなど興味は尽きません。これらの疑問を解消すべく、様々な史料を読み続ける日々です。

    • ひとこと

      あらゆる経験が史料の読解に役立ちます。無駄なことなど一つもないのです。色々なことに興味を持ち、経験していってください。

  • 森本 慶太准教授 Keita Morimoto

    • 教育内容

      講義では、世界史との関連を意識しつつ、欧米の近現代史を学びます。演習では、西洋史に関する研究課題設定、文献収集、史資料分析、表現に必要な一連の能力を段階的に習得し、最終的には卒論作成を通じて総合する力を養います。

    • 研究テーマ、概要説明

      専門は西洋近現代史で、地域としては中央ヨーロッパ、とくにスイスが研究対象です。現在はおもに二つの領域で研究を進めています。第一に、近代国家スイスの統合要因をナショナリズムとの関連で考察しています。第二に、19~20世紀のドイツ語圏諸国における観光の大衆化と、それがもたらした政治・社会・文化的な影響について、同時代の国際関係も視野に入れつつ検討しています。

    • ひとこと

      「覚える歴史」から「考える歴史」へ向かうために、自分なりの問いをもちましょう。