関西大学 文学部

教員紹介

英米文学英語学専修

  • 秋元 秀紀教授 Hideki Akimoto

    • 教育内容

      物語学の観点から、現代アメリカ文学やハリウッド映画などの分析・解釈をおこなっています。テーマ批評を越えて、物語の構想と構造、表現技法と演出、記号や象徴等を分析的に浮き彫りにして「可視化」するのが授業のメインです。

    • 研究テーマ、概要説明

      作品の詳細を分析的に読み込む物語学(物語つまりnarrative一般の研究でnarratologyといいます)と、作品の背景に見られる思潮の大枠を捉える歴史研究の両者を視野に入れようと思っています。現代ユダヤ系アメリカ作家の作品研究から、その背景の歴史的系譜に興味が移って、20世紀前半に時代思潮と知的な取っ組み合いを演じていたアメリカの作家・知識人グループの研究へとシフトしました。同時に、物語学の観点から小説やフィクション映画の個別テキストを微視的に分析・解釈する方法論に重点をおいています。

    • ひとこと

      大学という空間には、いろんな人がいて、いろんなことが起きます。ひとつひとつがどうと言うより、その多様性こそ価値なんだと思うんですよ。

  • 岩田 彩志教授 Seizi Iwata

    • 教育内容

      私は英文法をグレードアップしたものが英語学、と思っています。ゼミでは英語で書かれた論文を丁寧に読むところから始まって、とことん「英語とはどんな言語かを知るための英語学」を追求しています。

    • 研究テーマ、概要説明

      専門は英語学で、統語論・意味論・語用論のほぼすべてに興味がありますが、特に認知言語学や構文理論の枠組みにおいての語彙意味論の研究が中心です。これは主に動詞を対象とした研究分野で、特に最近は結果構文に取り組んでいます。一見例外的・不思議に思える現象も、形式と意味の対応を詳しく調べていけば、「なるほど!」と直感的に納得できる説明が出来る筈、というのが私の持論です。

    • ひとこと

      高校までは単に暗記して終わっていたようなことでも、突っ込んで考えてみたら、そこから色々なことが見えてきます。

  • 髙橋 美帆教授 Miho Takahashi

    • 教育内容

      詩は英文学の華です。時代や国(地域)に関わらず、英語で書かれたさまざまな詩を読んで、心の琴線に触れる作品あるいは詩人との出逢いを探っていきます。また、詩にとって重要な音声面を学び、そのうえで暗唱し、英語のリズムを身に付けていきます。

    • 研究テーマ、概要説明

      19世紀以降の詩や劇を主たる研究対象としています。具体的なテーマは、信仰詩における女性の表象、「能劇」の翻案をめぐる問題、米女性詩人作品に見られる葛藤、英日児童文学作品の比較、などです。徹底したテキスト精読を基本とし、作品そのものが要求する観点から解釈しています。

    • ひとこと

      本を読みましょう。五感を研ぎ澄まして、作品を味わいましょう。未知の世界が開けてきます。

  • 鍋島 弘治朗教授 Kojiro Nabeshima

    • 教育内容

      We are spinning our wheels. って意味がわかりますか?ここでのwheelsはタイヤ。spinは否定的な意味で「空回り」です。車は関係で、車に乗っているweは恋愛関係にある二人。「行き詰ってる」ってことですね。こういうのがメタファーです。メタファーを含む認知言語学、英語学を身につけてもらいます。これは頭を鍛えること。それから、手を鍛える授業として、実践に役立つTOEICや翻訳の授業もしていますよ。

    • 研究テーマ、概要説明

      闇の中にともる一本のろうそく。その火は風に揺られながら懸命に燃えています。これは何を意味しますか。トンネルを抜けて光の世界に出ていく二人。これは何を意味しますか。 こういったものもメタファーです。最近の脳科学では、シミュレーション理論という理論があって、言葉の意味は、頭の中で生じる五感や運動の模倣であるという主張がなされています。このほか、認知科学、人工知能、構文文法、通訳翻訳理論など。

    • ひとこと

      関大に来てみてください。きっと面白いことが見つかると思いますよ。

  • 干井 洋一教授 Youichi Hoshii

    • 教育内容

      英米短編小説、長編小説、児童文学、ファンタジー、原作と映画の比較研究など様々なテーマを扱っています。いずれの授業においても分析方法の習得と、その分析方法を用いた実践との両面を重視しています。

    • 研究テーマ、概要説明

      英国初期小説・英米短編小説・文学理論を主たる研究テーマとしています。学部や大学院では、担当する講義科目や演習科目を通して、文化と社会という大きなコンテクストの中で作品を捉える訓練を行うとともに、文学理論の基礎を身につけることを推奨しています。優れた論文を完成させるには研究テーマを掘り下げるとともに、そのテーマに最も適した理論的枠組みを用いることが重要です。

    • ひとこと

      解釈の多様性がキーワードです。分析方法をしっかり学んで、独自の解釈を行いましょう。

  • ルチャーナ・カルディ准教授 Luciana Cardi

    • 教育内容

      文学作品と共に、映画や漫画などを取り上げて、比較手法を用いて英米文学の世界にアプローチします。また、作品分析を通して、その背景にある文化や社会との関連性も検討していきます。授業では、ディスカッションを通じて作品に対する解釈力や鑑賞力を養うことを重視しています。

    • 研究テーマ、概要説明

      専門は日英・日米比較文学とアジア系アメリカ文学です。研究テーマは、20世紀のアメリカ文学における日本のおとぎ話の受容、日本を訪れたラフカディオ・ハーン (Lafcadio Hearn, 1850-1904) やアンジェラ・カーター(Angela Carter, 1940-1992)等の19世紀・20世紀の英米作家、日本の映画や漫画における英米文学の傑作のアダプテーションなどです。

    • ひとこと

      文学は自分を再発見し、新たな世界観に導く魅力的な扉です。その扉を一緒に開けてみませんか。

  • 熊谷 学而准教授 Gakuji Kumagai

    • 教育内容

      映画「ハリー・ポッター」などを視聴しながら、イギリス標準英語の発音やアクセント・リズムなどを教えています。また、ゲームやアニメのキャラクターや商品の名付けの特徴を紹介し、音が持つ意味やイメージ(音象徴)の面白さも伝えていきます。

    • 研究テーマ、概要説明

      専門分野は言語学、音声学、音韻論です。最近は音象徴の観点から名付けの研究を精力的に行っています。題材は「ポケモン」「ハリー・ポッター」「ディズニー」「赤ちゃん用オムツ」「デジモン」「モンハン」「ファイナル・ファンタジー」「AKB48」など多岐に渡ります。また、複合語や短縮語などの語形成における音韻・形態構造の研究も行っています。

    • ひとこと

      時間が経つのも忘れるくらい夢中になれることを見つけてみましょう。

  • リチャード・ドノバン准教授 Richard Donovan

    • 教育内容

      様々な媒体を通じて、文学の色々な面を考察します。従って、原文だけではなく、翻訳、映画、漫画、オーディオファイルなどを活かした積極的な授業を目指しています。しかし、分析の基本は言葉の解釈から始まりますので、専門用語からしっかり教えていきます。

    • 研究テーマ、概要説明

      文学翻訳学が専門で、比較文学、語学的分析、社会語学などを利用し、原文と訳を比較したりします。最近は誤訳という現象を見極めています。視聴覚媒体の分析も行い、国際社会が背景になるメディア論も含めます。ナラトロジー(物語論)を研究した上で、言葉と映像のそれぞれの長所と弱点を翻案(例えば小説の映画化)を分析しながら考えます。

    • ひとこと

      文学は各時代の概念や流行りをポラロイド写真のように保存する宝物です。

  • 野々宮 鮎美准教授 Ayumi Nonomiya

    • 教育内容

      英語学のうち、英語の時代的変化を探る「英語史」、発言の文字通りでない意味を探る「語用論」、社会と言葉との関係を見る「社会言語学」を主に教えています。

    • 研究テーマ、概要説明

      専門は歴史語用論、歴史社会言語学で、特に後期近代~現代を扱っています。話し相手を呼ぶのに、日本語では「お前」「あなた」などがあるように、英語でもthou, you, ye の3種類がありましたが、you以外はほぼ消失してしまいました。なぜ、どのように無くなったかが研究テーマです。また、現代英語で使われる古風な表現、特に「時代劇風」の英語にも関心があります。COHAなどのコーパスを使った研究もしています。

    • ひとこと

      大学卒業後、何か1つでも授業で学んだことを思い出してもらえると嬉しいです。