Human Rights
Handbook 2024

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ハラスメントやいじめなど

目に見える暴力 見えない暴力

リテラシーパンダ

Thinking Time

今後経験するかもしれないハラスメントとは?
友人や恋人などとの交友前に知っておきたいのはどんなこと?

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パワー・ハラスメント、アカデミック・ハラスメント

指導に愛のムチはいらない

パワー・ハラスメント(パワハラ)とは、不均衡な力関係のもとで、強者から弱者に対して行われる嫌がらせや精神的な暴力を指します。中でも主に大学の教員と学生、あるいは学生間や教員間でも上下関係のある者の間で起きるものを、アカデミック・ハラスメント(アカハラ)と呼びます。

パワハラというと、職場の上司から部下などをイメージする人も多いかもしれませんが、大学でも授業や演習など教育の場や、 クラブ活動などには、コーチや監督と部員、指導教員と学生、先輩と後輩などの上下関係があります。立場や地位が上にある人から嫌な気持ちになるような声掛け、無理な指示や課題を出される、脅威を抱かせるような指導やみんなの面前での叱責などがあると、気持ちが落ちこみ、学習や練習に取り組む意欲を失うことがあります。

しかし、「指導されているのだから」「お世話になっているのだから」「学習や技術の上達のためによかれと思ってやってくれているのだから」という思いがあると、やめてほしいとは言いづらく、周囲も容認してしまいがちです。

もし自分が授業やクラブで嫌な思いをしていたら、一人で悩まず、大学のハラスメント相談窓口に相談してみましょう。匿名での相談も可能ですし、第三者の目を通すことで状況を理解し、解決の方法を知ることができます。

また、友人や周囲の人が嫌な思いをしているのを見たり、聞いたりしたら、先生や監督から厳しく指導されるのは当たり前と決めつけず、まず話を聞いてあげましょう。

残念ながら指導者や教員の中には、自分自身も厳しく叱責や体罰を受けながら技術を身に付けてきたと考え、これらがハラスメントにあたるという認識がない人もいます。

しかし、教育やトレーニングの過程で、自分を否定され、嫌な思いをする必要はありません。授業や部活の時間以外でも嫌な気持ちが晴れない、学校や練習に行くのが憂鬱だ、と感じるならば、信頼できる人や相談窓口にまず話してみましょう。

「相手が誰でも、嫌な思いを我慢しないで」

「相手が誰でも、嫌な思いを我慢しないで」

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セクシュアル・ハラスメント

親しき中にも「同意」あり!その発言がセクハラに

「サークルの飲み会でスリーサイズを聞かれた」「突然、男性の先輩から二人っきりで食事に誘われて……」「『男のくせに美容に気を使っているの?』と言われた」

セクハラ(セクシュアル・ハラスメント)は、性的なジョークや必要のない身体への接触、性的な関係の強要など、相手の意に反する不快な性的言動によって生じた権利侵害を指します。

セクハラが起こりやすいのは、背景に力関係が働いていること。ひとつは研究・教育の場や、アルバイトなどの職場、上下関係の強いクラブなどが例としてあげられます。もうひとつは、多数の男性の中に少数の女性といった性別が極端に偏っている環境や、同じ仲間のなかで周りからの圧力があったりして行為がエスカレートするような場面です。飲み会などの場で、性的な発言や行為に同調や参加を強いたりすること、これも立派なセクハラです。被害が多く寄せられるのは女性ですが、男性が被害を受けることもありますし、異性間だけではなく同性間でも起こり得ます。

「何がセクハラになるのか分からない」という人がいるかもしれません。その基準は、相手が不快と感じるかどうかです。あいまいなようですが、性的な事柄に対する捉え方、感じ方は個人によって異なります。自分では単なる冗談だと思っていても、不快に感じる人がいることを意識しましょう。

お酒を一緒に飲んだから、同じ車に乗ったから、同じ部屋に入ったから…、それらは決して性的な行為に同意したことを意味しません。誰とどんな風に性的な関係性をもつのか、それを決めるのは本人です。だからこそ、お互いにきちんと「YES」を確認しあう、「性的同意」が大切になるのです。その同意のない性的な行為はすべて性暴力で、たとえ恋人や配偶者であっても例外ではありません。

セクハラ被害にあったら、もし可能であれば、その場で「NO」を相手にはっきり伝えましょう。普段から顔を合わす機会の多い相手であればあるほど伝えづらいのは確かですが、遠慮する必要はありません。それが難しい場合は、どのような被害があったか、詳細な記録をとりましょう。またもしセクハラを見かけたら、加害者にやめるよう声をかけましょう。それが無理でも被害者をその場から離れさせるなど、できることはほかにもあります。

男女問わず、セクハラの加害者にならないためには、集団内の人間関係にさまざまな力関係が働いていないか、普段からチェックすることが大切です。たとえば部活動において、先輩からの指示は後輩には断りづらいもの。そういった関係性に自覚的であると、その力の行使に注意を払うことができます。

一人で悩まず、信頼できる人や相談窓口に話してみましょう。大学のハラスメント相談窓口には専門家もいます。活用してください。(詳細は各キャンパスの相談窓口へ)

「セクハラにNOと言えない場合は、信頼できる人や相談窓口へ」

「セクハラにNOと言えない場合は、信頼できる人や相談窓口へ」

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いじめ、いじり

ちょっといじっただけ本気にするなよ

いじめは誰にでも起こり得るものです。悪意はなくても相手がつらいと感じることはいじめだと言えるでしょう。部活やサークル、ゼミなど凝集性の高い、閉じた集団は、同調圧力が高まったり、力関係が固定化しやすく、「普通」と違う容姿や振る舞いをする人、コミュニケーションが苦手な人、集団から少し外れた言動をする人は、特にターゲットになりやすいと言えます。

軽い気持ちで相手をからかう「いじり」は、いじめほど深刻なダメージを与えないように思われがちですが、反論すると「冗談やん」、「熱くなるなよ」と言われ、当人は嫌だと感じていながら「反論した自分が悪かった」かのように扱われるタチの悪さがあります。「いじられキャラ」を続けることで、小さなストレスが積み重なり深刻なダメージにつながることもあります。

大学は、多様な人が集まる場所です。国籍や人種・民族、性(SOGI)、障害などからくる社会経済文化的な多様性、一人一人の個性からくる価値観の多様性。私たち一人一人の多様性を尊重し、他者の生き方から学ぶ姿勢があれば互いに成長することができます。しかし、多様性を否定し、「普通」といった主流派(マジョリティ)の生き方、価値観を押し付けようとするといじめやいじりは起きやすくなります。いじめだと感じたり、周りにいじめられている人がいたら、「それはおかしい」ときちんと声を上げる、難しければ助けてくれる人(友人、教員、学生センター)に頼る、一人で抱え込まないのが大切です。集団から「離脱」するのも選択肢の一つです。

大学では人間関係を自分でつくっていかなければなりません(人間関係の自由化)。友人をつくるのが苦手で「ぼっち」になることもあるでしょう。一人でいること自体は悪いことではありませんが、一人でいることがつらい人もいるかもしれません。そうした人に声を掛けてほしいですし、声を掛けやすいと感じられる、柔らかな人が増えてほしいと思います。

そして何より、変わるべきは加害者側であり、加害者の言動を変えるべく教職員が働きかけていくことが理想の姿です。

※SOGI(ソジ)とは…Sexual Orientation(性的指向:好きになる性)&Gender Identity(性自認:心の性)の頭文字から作られた呼称で、異性愛なども含めすべての人が持つ性についての属性を言います。

「集団から離脱するのも一つの方法互いに声を掛け合う思いやりを

「集団から離脱するのも一つの方法互いに声を掛け合う思いやりを」

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ストーカー行為

ひょっとしていつのまにかストーカー!?

「いつ会える?」。一見うれしいメッセージですが、送り主がまったく意識していない人だったり、元恋人から何度も送られてきたものだったりしたら……?

「ストーカー規制法」では、8つの「つきまとい等」 の行動を、同一の人物に対して繰り返し行うことを「ストーカー行為」とし、規制対象行為にあたるとしています。「つきまとい等」の行動のうち、学生からよく声が寄せられるのは次の2つです。

①「つきまとい」……つきまとったり、待ち伏せしたり、押し掛けたりするなど。

②「無言電話、拒否後の連続した電話・電子メール・SNSメッセージ・文書等」……電話やLINE、SNSなどでメッセージを何度も送信するなど。

被害は女性が多いと思われがちですが、男性や同性の友人関係でも起こり得ます。大切なのは「不安や恐怖を感じるかどうか」です。少しでも不安を感じたら、大学の相談窓口に相談してください。なお、被害状況は記録しておきましょう。また、周りに困っている人がいたら、相談に乗る程度にとどめ、相談窓口などに行くようアドバイスを。専門家ではない第三者の介入は、事態をよりエスカレートさせる恐れがあります。

ストーカー行為にまで発展してしまうのは、カップルが別れた際、一方が納得できない場合や、今まで接点がなかった相手から一方的に思いを寄せられる、というパターンが多いようです。自分がストーカー行為をしていると指摘されて初めて気がつく場合もあります。

相手が知り合いの場合は、感情的に拒否せずに「これ以上連絡してくるようだったら警察に連絡します」とはっきりと意思表示をすることが大事です。

すぐに返信がないからといって、不安になって何度もメッセージを送っていませんか?「これって、もしかしたらストーカー行為かも?」と、自分で一度振り返ってみるのもいいかもしれません。

自分が加害者にならないためには、他者の気持ちを想像する力を養うことが必要です。そのためには、周囲に依存せず、たくさんの人と触れ合い、本を読み、人間に関する洞察力を磨きましょう。

「誰しも被害者・加害者になる可能性が」

「誰しも被害者・加害者になる可能性が」

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デートDV

それってデートDVでは?

デートDVとは、恋人同士で起きる暴力のことです。

具体的な行為としては、①殴る、蹴る、物を投げるなどの「身体的暴行」だけでなく、②無理やりおごらせるなどの「経済的圧迫」、③性的行為の強要、避妊しないなどの「性的強要」、④暴言や長期間無視するなどの「心理的攻撃」、⑤交友関係や行き先、電話、LINE・メールを監視したりするなどの「行動の制限」も該当します。

しかし、デートDVは、単にこれらの暴力行為を指すだけではありません。デートDVの本質は、暴力を用いた支配とコントロールです。これらの暴力行為が繰り返されるうちに、被害者は自分の意識や行動を加害者にコントロールされ、「自己」を喪失し、「逃げる」「別れる」気力さえ失い、加害者の支配下に置かれてしまいます。

対等でない恋愛関係はデートDVです。恋人に嫌なことを嫌だと言えない。いつも恋人の言いなりになってばかり。恋人の態度や言動が「怖い」「つらい」。これらが思い当たるとすれば、あなたはデートDVの被害にあっているかもしれません。

デートDVに関する適切な知識を身に付け、固定的な男女のステレオタイプにとらわれることなく、お互いに自分の気持ちを言葉で伝え、相手の気持ちも受け止める。そうすることで、デートDVを防ぎ、対等で心地よい関係を一緒に築いていくことができます。

すでに恋人と対等な関係ではなくなっていたり、恋人に自分の気持ちを伝えることが怖い場合には、決して自分たちだけで抱え込まず、相談窓口に相談することをお勧めします。

友達から被害の相談を受けたら、「二次被害」にあわせないよう気を付けてください。相談したのに、「それは愛されている証拠」「我慢すれば」などと言われると、いっそう傷つきます。相談されたら、まず話を聴きましょう。相談者を責めてはいけません。当人の望む解決方法を尊重し、精神的に支えてあげた上で、しかるべき相談窓口への相談を勧めるとよいでしょう。

「対等な関係でなくなったらデートDVかも」

「対等な関係でなくなったらデートDVかも」

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家庭環境の変化による貧困問題

コロナ禍でさらに加速した学生の貧困化

2022年秋に実施された調査によれば、同年度の学生の1カ月当たりの収入は、自宅生の場合は前年より少し改善したものの、下宿生の方は減少しており、いずれもコロナ以前の水準には戻っていません。(1)

これは、コロナが流行し、アルバイトで生計を立てていた学生たちの多くが、シフト削減によって事実上解雇され、生活困窮に追い込まれたことが影響しています。特に2020年はアルバイト収入が減って困窮する学生が激増し、社会問題化しました。

もっとも大学生の貧困化はもっと以前から始まっていました。例えば、2020年の学生生活費(学費と生活費の合計)は、20年前に比べ大きく減っています。(2)また、下宿生への仕送り金額についても、「10万円以上」の割合が低下し、「ゼロもしくは5万円未満」の人が全体の4分の1に達しています。(3)

背景に日本社会全体の貧困化や中間層の解体が指摘されていますが、学生の多くはアルバイトをしないと学業が続けられないのが現状です。そのような学生の弱みに付け込んだ「ブラックバイト」では低賃金なのに正社員並みの義務やノルマが課され、学生生活に支障を来すほどの重労働を強いられることも多いと言います。(4)

また、奨学金に頼らざるをえない学生も増え、約3人に1人が奨学金制度を利用していますが、そのうち返済を要しない給付型奨学金利用者は、全体の2割にも満たない有様です。その結果、奨学金返済のために複数のバイトを掛け持ちして留年する、うつ病など精神的不調を訴える、家族関係の悪化を招くなどのケースも増えています。まさに「奨学金」という名の債務に苦しんでいる実態が浮かんできます。(5)

このような現状がコロナ禍によってクローズアップされましたが、政府はコロナ対応に追われ、学生の修学環境改善に抜本的に取り組む余裕はあまりなさそうです。憲法が定める26条の「教育を受ける権利」どころか、25条の「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」すら保障されていないことに、学生を含め社会全体で問題意識を共有すべきでしょう。

出典:
(1)2022年度、自宅生64,350円、下宿生124,290円(1カ月あたりの平均収入)。2019年比で自宅生は3,130円、下宿生は5,570円いずれも減少している。(「第58回学生生活実態調査」/全国大学生活協同組合連合会)
(2)学生の生活費の推移:2000年93.7万円、2020年66.4万円(「学生生活調査」/日本学生支援機構より))
(3)下宿生への仕送り金額が10万円以上である割合:1995年62.4%、2021年27.9%へ低下。仕送りがゼロもしくは5万円未満の下宿生の割合:全体の約4分の1に。(「学生生活実態調査」/全国大学生活協同組合連合会より)
(4)大内裕和「貧困化する大学生と経済的徴兵制」『現代思想』43(14)、2015年
(5)今野晴貴「ポストコロナにおける学生をめぐる労働と貧困の諸論点」『現代思想』50(12)、2022年

「学生の貧困化は他人事じゃなくみんなの問題」

「学生の貧困化は他人事じゃなくみんなの問題」

情報BOX

…そんな経験ありませんか?

それってデートレイプかも!

デート中にセックスを強要された、という経験はありませんか?レイプというと、「見知らぬ人からいきなり」と思いがちですが、内閣府の調査によると顔見知りによるケースが多いのです。

恋人同士だと、つき合っているのだから当然という意識が働くかもしれません。セックスは男がリードすべきだという考えもあり、相手が嫌がっているのに気付かず強引に、という場合もあるでしょう。

また、アルコールやドラッグを飲ませて抵抗力を奪いセックスするという性暴力の被害が増えてきています。相手が抵抗できない状態で性行為やわいせつな行為を行うことは、犯罪です。刑法の処罰の対象になり得ます。

恋人とは精神的にも、肉体的にもつながっていたい。だからセックスしたい、と思うのは自然な気持ちです。でも、一方的に押し付けては、大切な人の気持ちを踏みにじることになります。お互いに相手の気持ちを尊重し、合意の上で行うようにしましょう。そのような意識をみんなで持つことが大事です。

NotAlone(ナタロン)/NPO法人デートDV防止全国ネットワーク

https://notalone-ddv.org

デートDVに関する情報を集約したポータルサイトです。デートDVのことが気になったら、まずはこのサイトを開いてみることをお勧めします。

若者たちが投稿したデートDV経験の具体例、被害にあったらどうすればよいのか、全国の相談窓口情報、デートDVに関する調査結果、参考図書などの情報が満載です。

>NotAlone(ナタロン)/NPO法人デートDV防止全国ネットワーク

相談窓口

  • DV相談+(プラス)
    (電話、メール、チャットで相談可能)
  • DV相談ナビ
    (各都道府県の中核的な相談機関に自動転送)
    電話番号:#8008

もっと深めよう

関連資料紹介

※リンクが掲載されている資料は本学図書館に所蔵されています。

『知っていますか?セクシュアル・ハラスメント一問一答第3版』
P.23 関連

『知っていますか?セクシュアル・ハラスメント一問一答第3版』

養父 知美/牟田 和恵 著/解放出版社 2008年

セクシュアル・ハラスメントの格好の入門書です。どのような行為がセクハラにあたるのか、仕事上での関係性をどう考えるべきか、子どもが学校でセクハラにあったらなど、具体的な場面を想定して、Q&A方式でやさしく解説されています。所々に描かれるイラストには、クスっとさせられます。

P.25 関連

『アダムス・ファミリー』(アニメ版2021年)

出演:オスカー・アイザック、シャーリーズ・セロン ほか
監督・製作・原案:コンラッド・ヴァーノン

幽霊の一族で周りから気味悪がられている「アダムス・ファミリー」。「普通」を押し付けて排除しようとする住民から、迫害を受けます。同映画のスピンオフ「ウェンズデー」(ネットフリックス2022)も「普通」と「多様性」 を考えるのに面白い作品です。

『アダムス・ファミリー』(アニメ版2021年)
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』
P.25 関連

『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー2』

ブレイディ みかこ 著/新潮社 2021年

英国在住の著者とその中学生の息子の日常を描いたエッセイです。差別やいじめが起きる中学校で、それでも多様性が大切にされ、せめぎ合いを見せるところが印象深いお話です。

P.27 関連

『ストーカー「普通の人」がなぜ豹変するのか』

小早川 明子 著/中央公論新社 2017年

SNSの普及で、素性を知らない相手へのストーキングやリベンジポルノなどの卑劣な行為が急増しています。「交際相手と別れるときに注意すべき点は?」「ストーカーからの贈り物はどうすべきか?」「警察にはいつ行けばいいか?」「加害者は治療で変わるか?」等、500人以上の加害者と対峙してきたカウンセラーが解説しています。

『ストーカー「普通の人」がなぜ豹変するのか』
『ストップ!デートDV―防止のための恋愛基礎レッスン』
P.29 関連

『ストップ!デートDV―防止のための恋愛基礎レッスン』

伊田 広行 著/解放出版社 2011年

交際中の若者に多いデートDV。恋愛観の見直しと防止教育の必要性を説く著者が事件や事例、ドラマやメディアの実態をとおして、束縛やジェンダーなどDVの深層にせまります。恋愛の実際を入り口にQ&Aも交えて解説した入門書です。

P.31 関連

『貧困世代―社会の監獄に閉じ込められた若者たち』

藤田 孝典 著/講談社現代新書 2016年

『下流老人』で知られる筆者が、「一億総貧困社会」についてさらに現状を分析した本です。若者は社会的・経済的弱者とは認められず、社会福祉の対象者として扱われないことが多いのですが、実際には大多数の若者が、現代日本の社会構造のせいで、夢や希望をかなえる活力を十分に生かせずにもがいている実態が明らかにされています。

『貧困世代―社会の監獄に閉じ込められた若者たち』
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