KANDAI
TOPICS日常の出来事

千里山キャンパスで6月10日、中華人民共和国の重慶にある西南大学歴史文化学院 講師の左春梅氏(本学法学研究科卒)を招き、法学部学術講演会を実施しました。左氏は「日中全面戦争期の重慶国民政府の抗戦力―日本による調査と認識について―」をテーマに歴史を紐解きました。
本講演では「抗戦力」をキーワードに、日中戦争において軍事的・経済的に劣勢に立たされた重慶国民政府が、なぜ抗戦を継続できたのかという点に注目し、日本が行った情報収集活動を通じてその要因を探った過程を紹介。日本は当時、重慶政府が想定以上の抗戦力を持った背景には、アメリカを中心とする外部勢力の支援があると分析し、それが対米戦争への判断に大きな影響を与えたことが日本側の調査資料から明らかにされました。本講演はこのような分析を通して、当時の日本の対外認識と戦争拡大の一因がどこにあったのかを読み解く内容となりました。
また左氏は、アジア歴史資料センターに加え、在外研究中に国立国会図書館や防衛研究所資料室などで収集した史料を提示。自身の研究活動を通じて、根拠に基づいた客観的な分析の重要性を伝えると、参加者らは熱心に耳を傾けていました。
本講演は、国家間関係や国際社会において学術研究が果たす役割について考える貴重な機会となりました。
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