KANDAI
TOPICS日常の出来事

本学では、在学生や教職員の人権意識を高めるため、毎年春と秋に人権問題に関する講演会を開催しています。
5月16日には、レゲエミュージシャン・音楽プロデューサー・写真家など多岐にわたって表現活動を続けるSHOCK EYE氏(湘南乃風)を講師に迎え、「音と光で描く、自分らしさと尊重のかたち」と題した講演会を実施しました。
社会学部の学生を中心に多くの参加者で埋め尽くされたホールに登壇したSHOCK EYE氏は、「なぜ自分は表現をしているのか」「音楽と写真、どちらにも共通して流れているものは何か」という自身への問いにはじまり、これまでの歩みについて語りました。
SHOCK EYE氏は、挫折を味わった10代の頃、友人に誘われてレゲエミュージックの故郷・ジャマイカへ。似た境遇や価値観を持つ仲間と過ごすうちにそこが自分の居場所となり、仲間を喜ばせるために作った音楽がいつしか世に広がって生まれたのが「湘南乃風」であったという経緯、「歌うことは、自己表現のようで、実は自分を知るための終わりのない作業のようなもの」という、表現活動に対する自らの考えを述べました。
また、SHOCK EYE氏自身にとって大きな出来事となった過去のエピソードも紹介。ちまたで「歩くパワースポット」と呼ばれ、SHOCK EYE氏の写真をデジタル端末の待ち受け画像に設定する人が急増するという現象が起こりました。その状況に初めは戸惑いを覚えたものの、「どうせなら"パワースポット"の名にふさわしい人間になろう」と各地の神社を巡るうちにその魅力に気付いたそう。各地の美しい風景も含めて撮った写真をSNSで発信すると、「心が洗われた」「頑張れる気がする」「私の地元に来てくれてありがとう」といった数々の感謝のメッセージが届いたと当時を振り返りました。
この出来事を経て、SHOCK EYE氏にとって「表現」とは「自分が評価されること」ではなく、「(自分の表現に触れた)誰かが希望を見つけられること」だと気付き、自分の作品が社会に届いたことを実感できるようになったと話しました。
最も大切なメッセージとして講演の中で繰り返し伝えられたのは、「―未来に悩んだら、目の前の人を喜ばせることをしよう―」という言葉。
「社会が怖い」「社会への信頼を持てない」といった不安を抱える若い世代に対し、「皆さんが恐れる社会は、実はそんなに遠いところにあるものでも、自分と切り離されたものでもなく、『目の前の誰か』。そのひとりひとりの向こうに社会がある。だからこそ、その誰かを喜ばせることに夢中になることで、社会との繋がりが生まれる」と強調しました。
最後に、「未来を恐れずに、目の前のことに夢中になってほしい。楽しさも苦しさも全てが自身の糧となり、人生を彩ってくれる。成功、失敗は他人が決めることではなく、あなたの人生はあなたにしか評価できないもの」「自分らしく、喜怒哀楽に包まれた誇らしい人生でありますように。誰かのために、ひいては自分のために、大胆に表現していってほしいと思います」とメッセージを贈りました。
講演後には、参加者から寄せられた多くの質問ひとつひとつに温かい言葉で答えたSHOCK EYE氏。会場は時に笑いに包まれ、和やかな雰囲気のなか講演会は締めくくられました。
今年度の春季人権啓発行事では、全6回に渡って講演会を開催しており、一般の方も参加費・申し込み不要で当日参加が可能です。多数のご来場をお待ちしております。
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