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TOPICS日常の出来事

東京センターで2月8日、第6回関西大学食文化研究会フォーラム「日本酒と水のおいしい関係 ~伏見、灘から江戸への物語~」(主催:関西大学食文化研究会、共催:伏見酒造組合、協力:関西大学東京センター)が開催されました。
2024年12月に日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを機に、世界中から注目を集めている"日本酒"。本フォーラムでは、日本酒にまつわる文化や歴史、酒造産業を支える関西地方の豊かな水について、4人の講師がそれぞれの知見に基づいて語りました。北風が強く厳しい寒さとなったこの日、会場には100人を超える参加者が集まり熱気に満ちあふれました。
まず、伏見酒造組合技術委員長で月桂冠株式会社専務取締役の秦洋二氏(日本生物工学会会長、酒史学会会長、日本醸造学会副会長)は、日本有数の酒どころである京都府伏見の酒造りの歴史、伏見酒蔵の特徴や伏見の水について紹介。次に環境都市工学部の楠見晴重特命教授は、琵琶湖の水量に匹敵するほど豊富な地下水「京都水盆」により、京都の産業や文化が古来培われてきたことを話しました。続いて、江戸時代における酒の文化史について述べたのは、新潟大学日本酒学センター特任助教の畑有紀氏。「福徳三年酒」などの黄表紙本(挿絵入りの物語冊子)や、能の演目「猩猩(しょうじょう)」を題材に、ユーモアを交えながら語りました。最後に登壇した作家の吉村喜彦氏は江戸で花開いた酒文化について、上方で生産し江戸へ運ばれた「下り酒」や、酒造りに欠かせない伏流水と地下水などにも触れながら解説。パネルディスカッションでは、参加者から各講師への質問が相次ぎ、活発な議論が交わされました。
最後に、唎酒として4種類の日本酒が振る舞われると(月桂冠株式会社提供)、参加者は日本酒に関する文化や背景に思いを巡らせながら、それぞれの味わいや香りを堪能しました。
東京センターでは、これからも本学の教育・研究成果を発信していくとともに、さまざまな文化や歴史への造詣を深め、研鑽交流の場となるような企画の推進に努めていきます。
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