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システム理工学部・小谷賢太郎教授とゼミ生が「視線データによる心理的レジリエンス推定」実証実験を実施

 「視線データによる心理的レジリエンス推定」を研究するシステム理工学部の小谷賢太郎教授とゼミの学生たちが11月14日と18日、兵庫県尼崎市の機械メーカー「株式会社ショウワ」(代表取締役:藤村俊秀氏)で、従業員を対象としたデータ計測の実証実験に取り組みました。

 この研究は、同時に複数の画像をタブレットに映し、被験者の視線の動きから「心の状態」を探るものです。「人の怒った顔」や「戦争や災害を想起する画像」への反応の早さなどを計測、本人が意識していない心理的な「不安」や「ストレス」の度合いを推計することで、従来の記述式アンケートなどとは違ったアプローチで「心の健康診断」の可能性を模索するものとして注目されています。

 今回、小谷教授ゼミから依頼を受けた藤村氏が「心の状態の可視化は今後の企業活動にとって重要」と快諾したことで、初めて企業での実験が実現。「この位置に顔を置いて画像を見てください」などと説明する学生らに対し、約50人の従業員のみなさんは、物珍しそうにしながらも積極的に実験に参加していました。

 小谷教授は実験を振り返り、「これまで大学生や中学生を対象にした計測はしてきましたが、実際に企業で働いている人を対象に、20代から50代以上まで50人以上のバラエティに富んだデータが取れたのは大きな前進で、協力に感謝しています。今回得られた貴重なデータをもとに汎用性の高い推定モデルを導出し、レジリエンス(健康状態を維持する力)評価の確立、実用化に向かいたいです」と述べました。

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    実験資料:中立画像と情動画像
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