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三村孝仁氏(テルモ株式会社前代表取締役会長)による客員教授講演会を開催

 千里山キャンパスで11月22日、本学客員教授の三村孝仁氏(テルモ株式会社前代表取締役会長/日本医療機器産業連合会前会長)による講演会「昨今の医療産業を取り巻く環境と働きがいについて」を開催しました。

 三村氏は1977年に本学社会学部を卒業し、テルモ株式会社に入社。2003年に取締役就任、2009年からは中国に駐在し、2010年から総代表として現地での事業拡大に尽力。2017年から2022年まではテルモグループの代表取締役会長を務めました。現在は、複数企業や団体の社外取締役や要職に就き、各社の経営や団体の事業運営に携わっています。

 テルモの社名の由来は「Thermometer=テルモメーター(ドイツ語)」から。同社は1921年に医師らによって設立され、体温計の国産化からその歴史が始まりました。「医療を通じて社会に貢献する」という理念を掲げ、現在、世界160以上の国に3万人を超えるアソシエイト(社員)を擁する業界屈指の医療機器メーカーです。

 三村氏は講演の中で、「医療機器業界とは」というテーマに関して、医療機器の紹介、医療機器ビジネスの現状と課題、業界の今後の展望などを参加者に分かりやすく解説。コロナ禍において医療機器産業の存在意義を会社として再認識したことに触れ、「極めて社会貢献度の高い産業」「売上高や利益のみが主たる指標でなく、社会が変わることが実感できる貴重な産業」と医療産業の重要性や魅力を伝えました。

 また、100年以上に渡るテルモの歩みを紹介しながら、時代ごとに医療現場が抱える課題を真摯に受け止め課題解決に挑戦し続けてきたこと、現在は感染予防・環境への配慮・患者に優しい医療にフォーカスした事業を行っていることを説明。「物を売ることから価値を売ることへの変革(デバイスからソリューションへ)」、患者・医療機関・社会に利益を生む「三方よし」の事業展開を通じた社会貢献についても語りました。

 医療に限らず日本の産業が競争力を発揮するために必要なこととして、「世界視野をもつこと」「新しいことに挑戦することと失敗を許容すること」「リスクを取ること」を挙げ、「志を持って社会に出てほしい」と参加者らに力強く語り掛けました。最後に、「みなさんの素晴らしい未来と、卒業生が社会を、世界をリードしてくれることを心から祈念しています」と学生に暖かいエールを贈り、講演を締めくくりました。

 最後の質疑応答では、三村氏が組織のリーダーを務めてきたことについて学生が触れると「何事にも好奇心を持って、頼まれたことをやってみることも大事。例えば学生時代であれば、サークル活動などで代表を務めてみることで自分が鍛えられる」とアドバイス。
 新たな気づきを得て、ビジネスや社会、そして世界に目を向ける機会となりました。

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