KANDAI
TOPICS日常の出来事
今注目される小説家を招いて創作と読書について聞く2024年度の読書教養講座が10月4日と12日、千里山キャンパスで開かれました。直木賞作家の河﨑秋子氏と万城目学氏が講演し、いずれも文学部の友谷知己教授が聞き手を務めました。
4日は河﨑氏が登壇。北海道の自然描写を生かした迫力のある小説で知られる河﨑氏は特徴のある自然を描く難しさに触れながら「自分が何を書きたいか、ということと読者の受け取りやすさを考える」と話しました。直木賞を受賞した『ともぐい』について、「主人公のすぐ背後にカメラがあるような視点を意識した」と語り、創作にあたって考えている登場人物との距離の取り方について話しました。
自身の学生時代について「映画をよく見ていた」と話し、「今のうちにいろいろなものを見て、いろいろな表現に触れるといいと思う。そして興味があれば創作の世界に臆せず踏み出してほしい」と呼びかけました。また青年期の読書について「本との縁も大事。いろいろな本を手に取り、出会ってほしい」とアドバイスしました。
万城目氏は12日に登壇。20代では「自分が書きたいこと」と「自分にしか書けないこと」のバランスを取るのに苦労し、「暗黒時代」だったと回想。それまでの作風を捨て、コミカルな内容に切り替えた作品『鴨川ホルモー』でデビューを果たした経緯を語りました。
歴史、学園、ファンタジー、恋愛、スポーツがバランスよく含まれ、特定のジャンルに収まらない「万城目ワールド」と呼ばれる世界観について「本以外にもスポーツ、映画、ゲームからも多くのインスピレーションを得ている」と説明しました。
『八月の御所グラウンド』で直木賞を受賞したことに触れつつ、「今後も新たな挑戦を続けていきたい」と意気込みを語りました。
いずれの会場でも学生が創作の工夫や方法論について積極的に質問していました。
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