関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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春季人権啓発行事を開催(最終回)

 本学では在学生や教職員の人権意識を高めるため、毎年春と秋に、人権問題に関する講演会を開催しています。
 6月26日、最終回の講演会が高槻キャンパスで行われ、講師の東京大学学術専門職員/名古屋工業大学大学院建築・デザイン分野の木村正子氏が「共生社会のためにデジタル技術ができること-目に見えない障害(精神・発達)とのつきあいかたを考える-」をテーマに講演会を行いました。

 木村氏は、健常者と障害者が容易にコミュニケーションできるシステムを開発するために、HCI(ヒューマン・コンピュータ・インタラクション)を研究。現在は、知的・発達障害・自閉症など感覚過敏を抱える人々が落ち着ける環境づくりの一環で、カームダウンスペース(Quiet room)の社会実装と普及に取り組んでいます。

 木村氏は冒頭で、目に見えない障害(精神障害、発達障害)は、身体の障害と同様にさまざまな壁があるが、その対応は不十分で、あまり知られていない現状を伝え、周囲の人が理解を深めていくことが重要な社会的支援であると述べました。

 続いて、世界万博のなかで初めて目に見えない障害に対応した万博であるドバイ万博をはじめとして、世界各国における見えない障害に対するさまざまな先端的取り組みを紹介。それらを参考に、理想とするQuiet Roomを作成する過程を解説しました。

 最後に木村氏は、「共生社会実現のためには、第一に、目に見えない障害をもった人と共に、課題解決に向けて、『デジタル技術を用いて何ができるのか』、『どのような技術開発が必要か』を考えることが重要です。その意見を取り入れながら、デジタル技術を開発していくことで、より生きやすい社会を創出することができます」と語りました。

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