関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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春季人権啓発行事を開催

 本学では在学生や教職員の人権意識を高めるため、毎年春と秋に、人権問題に関する講演会を開催しています。
 千里山キャンパスで5月11日、春季2回目の講師として、一般社団法人神戸国際支縁機構理事長の岩村義雄氏を招聘し、「民主主義の限界に翻弄される人類―ウクライナ戦争やトルコ・シリア大地震を通じて」をテーマとした講演会を行いました。

 神戸国際キリスト教会の牧師でもある岩村氏は、2001年の9.11テロを発端に難民支援を目的として、神戸国際支縁機構(旧:神戸国際支援機構)を発足。「寄り添うこと」に重点に置き、国内では東北はじめ各被災地での農・林・漁を中心とした「田・山・湾の復活」という生態を回復するボランティア活動に注力され、海外ではネパール、シリア、北朝鮮など10カ国以上で孤児・難民支援を続けられています。

 講演で岩村氏は、自身が肌で感じた世界情勢、戦争や紛争で苦しむ人々の姿を伝え、どんな国に生まれようと人権はあること、また9.11テロ以降、世界で19も戦争が起きていることを挙げ、「民主主義が行き渡れば、戦争はなくなるのでしょうか」と疑問を呈し、民主主義のほころび、限界を指摘しました。

 最後に、政治哲学者ハンナ・アーレントが提唱した「無関心さからくる悪」を紹介し、「無関心にならないこと、そして真実を見破る感性、批判する力を付けてください。これからの日本はみなさんの肩にかかっています」と学生たちにメッセージを贈りました。

  • 春季人権啓発行事
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