関西大学 KANSAI UNIVERSITY

KANSAI UNIVERSITY

KANDAI 
TOPICS
日常の出来事

  • 教育・研究

外国語学部が学術講演会を開催

 千里山キャンパスで12月23日、樅山智子氏による講演会「世界を〈聴く〉:作曲と通訳の仕事をめぐって」を開催しました。
 樅山氏は、作曲家・アーティストとして世界各地を巡り創作活動を行う傍ら、アート専門の通訳者として人と人との思考をつなげ、文化を育てる仕事にも携わっています。

 講演会で樅山氏は、「通訳の仕事にはどんなイメージがありますか?」と学生へ問い掛けることからスタートし、「通訳者は異なる言語と言語の間に立つだけでなく、異なる文化や価値観など、さまざまな世界の捉え方の間を行き来しながらそれらをつないでいく仕事だと思います」と話しました。

 また、作曲家としての自身の作品については「いわゆるコンサートホールで聴くような音楽も作っていますが、ある土地の地形や歴史、そこで暮らす人や生き物など、その場所特有のいろいろな要素を作品の一部として取り込むようなパフォーマンス作品もあります」と話し、「音楽の根源はエコロジカル=生態学的である」と独自の概念を披露。そして、「音楽は多様な関係の中でコミュニケーションの手法として機能するメディアであり、人は音楽を通して他者を知り、自らを取り巻く環境との相互関係を理解してきました。現代を生きる1人の作曲家として、今の社会においてそのような生態学的な機能を持つ音楽を探求しています」と述べました。

 最後に「通訳者と作曲家は、どちらも、他者との出会いに耳を傾けることから始まる仕事。いろいろな関係性に介入していって、異なる視点の間に立ち、翻訳を重ねながら伝えていく仕事です。違いがある中で共存するとはどういうことなのか、通訳と作曲の仕事を通じてこれからも考えていきたいと思います」と締めくくりました。

外国語学部のウェブサイト

  • 外国語学部学術講演会
  • 外国語学部学術講演会
  • 外国語学部学術講演会