関西大学 KANSAI UNIVERSITY

KANSAI UNIVERSITY

KANDAI 
TOPICS
日常の出来事

  • 教育・研究

文学部が小野真龍客員教授講演会を開催

  千里山キャンパスで6月8日、小野真龍客員教授(天王寺楽所雅亮会副理事長)による講演会「散楽 ~日本伝統芸能の地下水脈~」を開催しました。

  「散楽」は、正規の音楽である「雅楽」に対して、セリフのある掛け合い、物まね、歌や舞、曲芸やアクロバットなどの娯楽的な諸芸を総合して上演する見せ物です。シルクロード周辺の国から伝わり中国で発展し、奈良時代に日本にもたらされました。平安時代の宮廷で、散楽のうち滑稽ものまねの戯劇が「猿楽」と呼ばれるようになり、後の能・狂言を生み出す地盤となりました。

  小野氏は、「散楽はみなさんになじみの薄いものだと思いますが、これをきっかけに興味を持ってもらえれば」と、散楽の所作が残る現代の祭などの映像を紹介しました。また「平安宮廷では、猿楽は現代のお笑いのような芸能として人々に愛されました。その後、庶民の芸能の中にも散楽は地下水脈のように広がっていき、現代にいたるまで、能楽のみならず文楽や歌舞伎、雅楽などのほとんどの伝統芸能の中にその表現が受け継がれています」と散楽の歴史と日本の伝統芸能に与えた影響の大きさについて解説しました。

  • 客員教授講演会
  • 客員教授講演会