KANDAI
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千里山キャンパスで9日、関西大学アジア・オープン・リサーチセンター(KU-ORCAS)が、150年前の西洋料理レシピ本から東アジア文化への影響を探る研究会「近代東アジアにおける西洋料理の伝播と受容」を開催しました。
この研究会では、1866年に上海で出版された西洋料理のレシピ本『造洋飯書』を糸口に、西洋料理が東アジアに取り入れらるなかで、食文化だけでなく言語や価値観、文化、市民生活にどのような影響を及ぼしたかを探ることを目的としています。
講演ではセンター長を務める外国語学部の内田慶市教授が、西洋料理が中国に伝播していく過程でうまれた『造洋飯書』の意味や、アヘン戦争後の上海の変化などを解説。さらに、龍谷大学の余田弘実教授が、料理本の言葉の変遷などから19世紀前半までに日本では西洋料理を受け入れる素地ができていたことを発表しました。
続いて、梅花女子大学の東四柳祥子准教授が、明治時代の市民の暮らしに西洋料理が与えた影響について説明。『江戸幕末滞在記 若き海軍士官の見た日本』の中で、当時の日本人が、会食の際にナイフとフォークの使い方がわからず、最後は手づかみで食べたと記された一文を紹介しました。そして最後に、辻調グループ 辻静雄料理教育研究所の八木尚子副所長が、19世紀ヨーロッパにおけるフランス料理の歴史を辿りながら、フランス料理の日本への影響について話しました。
本研究会では、今後も料理を中心とした当時の文化背景や人物に焦点をあてた研究展開を予定しています。さらに、レシピの再現やデータ化を行うことで、研究成果をオープンなものにし、多くの方々に共有する試みも行っていきます。
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