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2018年度秋季人権啓発行事「食糧を届ける-紛争、災害、貧困の中で」を開催しました。

  千里山キャンパスで12日、2018年度秋季人権啓発行事として、元国連WFPアジア地域局長の忍足謙朗氏による講演会「食糧を届ける-紛争、災害、貧困の中で」を開催しました。     「8億人、つまり世界人口でおよそ9人に1人が、家庭の貧困により食糧を満足に食べることができない」。そう切り出した忍足氏は「5歳以下で亡くなる子どもの数は、年間約300万人。私たちはこのことを“静かなる緊急事態”と呼んでいるが、日本のメディアで報じられないため、実はあまり知られていない。さらに、食糧不足からなる発達阻害の子どもたちは現在4人に1人。その90%がアジアとアフリカの子どもたち」と、世界の食糧問題の現状を俯瞰しました。

  つづいて、自身が『NHKプロフェッショナル 仕事の流儀』に出演した際の映像を見ながら、WFPでの活動について紹介。「食糧支援を通じて、その地域が貧困から抜け出せるよう促すことがWFPのねらい。食糧支援は未来を届けること」だと、その活動の意義に触れながら、WFPでは食糧難の地域に年間平均300万トンの食糧を届けていること、日本で捨てられる食品の年間数量が600万トン以上であるという実状を解説しました。

  質疑応答ではWFPでのやりがいと今後について問われ、「“人を助けることができる”というようなシンプルな使命が、自分に合っていると思った。さまざまな国籍の人たちと同じ目的や使命を持って働けたことが楽しかった。今後はより多くの次世代の人に、世界の現状を伝えていきたい」と話した忍足氏。最後に「世界で起こっていることに目をつぶらないでください。貧困からなる食糧難などの不平等が起きている現状を知ってほしい。世界レベルでの思いやりを持つことで、地球市民の一人だと気づく。こういうことを考えられる人こそが、グローバルな考えができる人だと思っている」として、講演会を締めくくりました。

  ※本学ではすべての構成員の人権意識を高めるため、学内外関係者の協力を得て、独自の人権啓発行事を実施しています。
    なお、今回はNHK大阪放送局と共催し、NHK大学セミナーを同行事として開催しました。




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