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2018年度春季人権啓発行事「生命倫理を考えるー患者と家族の権利ー」を開催しました。

  本学ではすべての構成員の人権意識を高めるため、学内外関係者の協力を得て、独自の人権啓発行事を実施しています。2018年度春季人権啓発行事は全7回の講演会で、5月31日には高槻ミューズキャンパスで第7回目が行われました。

  講師の柏木哲夫氏(淀川キリスト教病院理事長)は「生命倫理を考えるー患者と家族の権利ー」をテーマに講演。柏木氏は大阪大学医学部附属病院の精神神経科で勤務した後、ワシントン大学に留学。その後、淀川キリスト教病院に精神神経科を開設し、翌年には日本で初めてホスピスプログラムをスタートさせました。講演会では、生命倫理の領域および基本的な倫理の原則について、自身の経験をもとに説明しました。

  柏木氏は、「生命倫理とは生命をどのように考えるかということ。人が生まれる時と亡くなる時に、倫理的な問題が生じる」とし、「例えば、凍結卵子は以前はなかった問題。新しい技術の発達と同時に、法律を整え、倫理的に考えるしくみを作る必要がある」と、今後の課題について考えを述べました。

  続けて、脳死に対する日本人とアメリカ人の捉え方の違いを紹介しながら、「日本人は"脳死=死"と判断することができない。それは良し悪しではなく、心情的なもの。ここに日本でなかなか臓器移植が進まない要因がある」と指摘。その上で、基本的倫理の原則で配慮すべきは、「本人の価値観や物事に対する考え方を勘案して判断していくこと。特に、意思表示ができない人の気持ちを汲むことが必要」とし、治療や療養について前もって話し合う自発的なプロセスACP(アドバンス・ケア・プランニング)の重要性を説きました。




  • 第7回2018年度春季人権啓発行事

  • 第7回2018年度春季人権啓発行事