関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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2018年度春季人権啓発行事「ロボット・人工知能・プライバシーヘの脅威」を開催しました。

  本学ではすべての構成員の人権意識を高めるため、学内外関係者の協力を得て、独自の人権啓発行事を実施しています。春季人権啓発行事は全7回の講演会で、4月26日に千里山キャンパスで第2回目が行われました。

  第2回は、講師にカール・マイケル・マンハイム氏(ロヨラ・ロースクール教授)を招き、「Robots, Artificial Intelligence and Threats to Privacy(ロボット・人工知能・プライバシーヘの脅威)」をテーマに実施。最新のテクノロジーが憲法上の権利に与える影響について考えました。

  マンハイム氏は、「プライバシーは人間の尊厳と自立に必要不可欠だ」と、プライバシー保護の重要性を解説。その私的情報収集の分析などにAI(人工知能)が活用されていることを懸念すると、「AIが提供する利便性のために、私たちはプライバシーを放棄している。AIは私たちが使用しているスマートデバイスでの検索履歴やSNSなどから情報を収集し、ビッグデータとして蓄積している。やがてはそのデータを利用し、人間や社会をもコントロールするだろう」と指摘。さらにフェイスブックの情報漏えい問題にも触れながらAIを危惧すると、情報漏えいの解決策として、「データへのアクセスをコントロールするようなプライバシー保護の法律を制定することが必要」と述べました。

  質疑応答では、「AIが人間の仕事を奪うのではないか」という受講者からの質問に対し、「既にその現象は起こっている。弁護士などの専門職でさえも、AIに仕事を奪われつつある」と、AIが人間を脅かす存在だと訴えました。最後にマンハイム氏は、「私たちがAIをコントロールしていくことが今後の課題だ」と強調しました。

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