関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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春季人権啓発行事・社会福祉士の岡本工介氏による講演会を開催しました。

  本学では、在学生や教職員の人権意識を高めるために、毎年春と秋の2回、人権啓発行事を開催しています。春季人権啓発行事は全7回の講演会で、4月20日に千里山キャンパスで第1回目が行われました。

  第1回目は、講師に一般社団法人タウンスペースWAKWAK業務執行理事・社会福祉士の岡本工介氏を招き、「子どもからお年寄りまでを支える包摂型のまちづくり」-高槻富田地区における実践から-をテーマに実施。岡本氏は、NHK全国放送で放送された、中学生や大学生、地域のボランティアが関わる高槻市富田地区の“富田わくわく食堂”、“富田ただいま食堂”の映像をもとに、自身が高槻市で取り組む“子どもの貧困”の課題を超えるための“子どもの居場所づくり”について紹介しました。

  岡本氏は、貧困には“絶対的貧困”“相対的貧困”の2種類があることを説明したうえで、「日本や先進国が多く抱えているのは、全人口の所得の中央値の半分未満を下回っている状態を指す“相対的貧困”であり、実状として、周りが当たり前に経験していることを享受できない子どもがいる」と解説。また、「世代を超えて貧困が連鎖していることも大きな課題でもあり、セーフティネットの仕組みをつくることで声なきSOSをどう拾い支援につないでいくのかも重要である」と述べました。

  また、岡本氏が運営するケア付き食堂の取り組みとして、「一緒に食卓を囲むことを通じてつくられた信頼関係をもとに、家族のこと学校のこと、進路のことといった子どもの生活課題への対応をめざす」“富田ただいま食堂”の実践を挙げ、「長く同じ時間を共有することで、子どものちょっとした変化に気づくことができる。子どもたちと信頼関係を築いていくためには長く続けていくことが大切」とつづけました。

  最後に、とくに教職をめざす学生に向けて、「さまざまな子どもがいる中で、表面的な部分だけではなく、行動の背景を見てください。一人ひとりの家庭を取り巻く環境にしっかりと目を向け、ぜひ、その実情を理解しようとしてください。濃く深く関わることで、自身の人としての幅も広がります」とメッセージを送りました。

※高槻市の取り組みの映像はこちら


NHK地域アーカイブ




  • 春季人権啓発行事①
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