関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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2017年度秋季人権啓発行事「イラク戦争帰還兵による人権講演会」を開催しました。

  千里山キャンパスで11月30日、2017年度秋季人権啓発行事として、ベテランズフォーピース(VFP)で活動するマイク・ヘインズ氏および レイチェル・クラーク氏による講演会「軍事帝国としてのアメリカと沖縄、ベテランによる平和運動」を開催しました。本学ではすべての構成員の人権意識を高めるため、学内外関係者の協力を得て、独自の人権啓発行事を実施しています。

  講演会の冒頭にヘインズ氏は、これまでのアメリカによる戦争の歴史を振り返り、犠牲者に謝罪の言葉と黙祷を捧げると、自身が18歳で海兵隊に入隊した経緯を話し始めました。「アメリカでは小さい頃から愛国教育を受ける。そして『ランボー』や『キャプテン・アメリカ』などの映画やアニメでも兵士はヒーローとして描かれ、自身もそうしたヒーローに憧れていた」と語るヘインズ氏。兵士としてイラク戦争に参戦し、破壊・痛み・苦しみに毎日触れたことで、「テロを撃退するためにイラクに来たが、自分の行為がテロなのではないかと感じるようになった」と当時の胸のうちを明かしました。

  帰還後、戦争での酷い体験に悩まされ、次第に引きこもるようになったヘインズ氏は、農業と関わったことがきっかけでコミュニティが広がり、VFPの活動に参加するようになったと説明。VFPが“軍事力を使わない平和”を世界中で呼びかけている団体であることを紹介すると、「これまでに済州島、沖縄、パレスチナでの軍事に対する抗議活動に参加してきた。世界中どこにでも出向き、現地の人と一緒に戦う」と声を張り上げました。最後に「未来は僕らにかかっている。白いページは僕らが埋めていこう。平和を望む声を集めて団結することが重要だ」とメッセージを伝えると、「No more War」と呼びかけました。

  講演に参加した文学部2年次生の小出梨菜子さんは、「ニュースや映画だけでは知ることのできない現場の生の声を聴くことで、平和について一歩踏み込んだ部分まで考えることができた。今、自分にできる平和活動として、今日知った事実を多くの人に伝えていきたい」と話しました。

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