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「巨大災害を考える-震災復興祈念特別講演-」を開催しました。

  熊本県熊本市にあるTKPガーデンシティネストホテル熊本で5日、「巨大災害を考える-震災復興祈念特別講演-」を開催しました。本特別講演は、災害復興に資することを目的に、関西大学、関西大学教育後援会、関西大学校友会の共催で開催しました。

  冒頭、司会を務めた本学社会安全学部長の安部誠治教授が、全国に先駆けて2010年に開設した社会安全学部の取り組みについて紹介。続いて芝井敬司学長が、本特別講演開催の意義と大学として取り組む社会貢献の重要性、ならびに今後の展望について挨拶しました。

  最初に登壇した、本学名誉教授の河田惠昭社会安全研究センター長は、「熊本地震の教訓-きたる大震災に備えるために-」をテーマに講演しました。河田センター長は、まず今回の九州北部豪雨災害の対応についての調査結果を披瀝。さらに熊本地震について、行政、地域、個人、技術などのさまざまな側面から成功例を挙げるとともに、課題となる点を明らかにしました。また、法整備について今日的な状況を見据えて改正していく必要性があると訴えました。新たに発生する災害は常に未経験の災害であり、それに対応するため、熊本県の将来に向けてどのような街づくりをするか、県、市町村、地元自治会の一層の連携が大切であると締めくくりました。

  続いて、同学部の小山倫史准教授が「熊本城築城と修復の歴史-復興に向けた課題-」をテーマに講演を行いました。小山准教授は、熊本地震復興のシンボルの一つである熊本城について、その建築の歴史を紐解くとともに、熊本城が災害のたびに修復され、その姿をとどめてきた変遷を紹介。そして、そこから分かった修復のデータと現在の被災状況を踏まえ、熊本城再生の今後のプロセスについていろいろな選択肢を示しました。特に歴史的建築物の再生にあたっては、同じ材料、同じ工法で行うことの意義や現代的な補強の技術がどこまで許されるのかという、それを支える人々の価値観や気持ちや誇りに大きく関わる「オーセンティシティ(真正性)」との兼ね合いについても問題提起を行いました。

  また、会場のロビーには、1960年代後半以降に法律、社会、経済、自然科学、工学など、さまざまな専門知識を持つ研究者によって構成された「関西大学 下筌・松原ダム総合学術調査団」の活動の縁から誕生した、「蜂の巣城紛争」に関する貴重な資料「室原文庫」のポスター展示も行われました。参加者らは、専門家の貴重な講演や展示資料を通して、熊本県と本学の古くからの接点について改めて認識を深める機会となりました。




  • 特別講演 安部誠治教授

  • 特別講演
    芝井敬司学長

  • 特別講演
    河田惠昭社会安全研究センター長

  • 特別講演
    小山倫史准教授

  • 特別講演

  • 特別講演