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輿水精一客員教授講演会を開催しました。

千里山キャンパスで23日、サントリー株式会社名誉チーフブレンダーの輿水精一客員教授による講演会を開催しました。

輿水氏は「ウイスキーの魅力と不思議」をテーマに、ウイスキーづくりの秘話を明かしながらその魅力に迫りました。

「ウイスキーの起源は12世紀のアイルランドにあるとされ、その後15世紀にスコットランドで最初のウイスキーとして誕生。日本ではウイスキーを食事と一緒に楽しみながら飲むものとされ、飲み方は水割りやロック、お湯割りなど多種多様。一方、スコットランドなどでは食後酒とされ、その飲み方はストレートで飲まれる」と輿水氏は説明。
「日本のブレンダ―はウイスキーづくりの際、どのような飲み方でも美味しく味わえるようにブレンドしている。つくりたい味がイメージできるかはウイスキーづくりで重要」だとし、ウイスキーをブレンドする際に「100+1が200に変身するようなブレンドを心がけている」と、その思いを語りました。

続けて、「ウイスキーづくりには、水や気候、風土、樽選びが重要で、日本には条件に適したきれいな水、豊かな湿潤や四季がある。この恵まれた環境が、日本のウイスキーの評価を高めている理由のひとつ」だと解説。
また、サントリー山崎醸造所では、醸造の際に使用する樽から製造しており、その樽には300年以上生きているナラの木などを使用しているそう。木材探しはブレンダ―自らが世界中の森に出向き、適した木材を選定するなど、樽一つひとつを細かく管理し、特徴に応じて活用法を考えていく細やかさが、日本ウイスキーの魅力につながっています。

山崎醸造所では、2005年から2006年にかけ醸造釜を更新し、2020年以降にはこの釜から生まれるウイスキーを味わうことができます。最後に輿水氏は、「市場に捉われず設備投資ができることは日本ウイスキーの強み。ウイスキーの起源は洋酒とされるが、将来“ウイスキーは日本の酒”と言われるようになるかもしれない。いろんなテイストに対応できる多様性の追求が、今後のウイスキーのカギとなる」と、今後のウイスキーに期待を込めました。




  • 輿水精一客員教授

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