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TOPICS日常の出来事
大学院外国語教育学研究科博士課程前期課程2年次生の田中絵理佳さん(2017年3月修了)が、小学校教員のための英語学習教材「教室英語BOOKLET」を開発しました。
本教材は、2020年度から全面実施される小学校の次期学習指導要領に基づく英語の教科化に伴い、英語が苦手な小学校教員の自己学習や授業準備、ならびに授業での効率的な指導に役立てることを目的にしたもの。
その構成は、本教材の活用方法を授業準備・授業での使用・振り返りの3ステップで説明した「使い方マニュアル」、8テーマ195種類からなる「教室英語一覧表」、それぞれの教室英語をより英語らしく発音するために、ピッチ幅を線で記し、授業内容や進捗具合により使い分けることができる「付箋」、教室英語の使用状況や自己評価、次の授業に向けた改善点や目標を記す「振り返りシート」の4つから成ります。「付箋」ページにはQRコードがついており、スマートフォン等で読み取ることで、音声で発音を確認・練習することができます。
開発のきっかけは、吹田市教育委員会の協力を得て外国語学部(池田真生子教授、今井裕之教授、竹内理教授)が実施している、持続可能な英語教育研修プログラムを開発することを目的とした「小学校英語支援プロジェクト」に、田中さんが支援員として参加したことでした。小学校の現場では、文部科学省が小学校教員に必要な要素の1つとして挙げている「教室英語」や、次期学習指導要領をいかに授業に反映させるかに戸惑う先生方を目の当たりにし、英語が苦手な教員にも自信を持って授業してもらえる教材を、と制作に着手。教員のニーズを調査し、試作品を作って使用感を確かめたりしながら幾度も工夫と改良を重ね、半年以上をかけて完成させました。大学院で学んだ外国語学習理論の1つである自己調整学習の枠組みを利用し、分かりやすく使いやすい3ステップでの活用方法や、社会人には身近で便利な付箋の活用、ICT(QRコード)を活用した音声による発音練習など、先生の視点に立った利便性と機能性、新奇性を兼ね備えた教材です。
実際に、試験的に京都府向日市内の小学校で使っていただいたところ、大変好評を得て、継続して使用してもらっています。5月に製本化された後、吹田市内の3つの小学校と高槻市内の1つの小学校で新たに導入予定です。田中さんは、「支援プロジェクトを通じて、先生たちの力になりたいと思ったのが始まりです。私も元々は英語が苦手でしたが、学んでいくうちに自信が持てるようになりました。教材を通じて先生たちにも自信を持って授業に臨んでもらえればと思います。そうすることで、生徒さんたちも自信を持って英語を学んでもらえたらうれしいです」と思いを語っています。
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