関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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ビジネスプランコンテスト・イノベーション対話プログラム「AjiCon2016」を開催しました。

梅田キャンパス"KANDAI Me RISE"で21日、商学部の学生が理工系学部発の革新的技術シーズを用いたビジネスプランを提案するイベント、イノベーション対話プログラム「AjiCon2016~文系学生と理工系技術のコラボが生み出す新アイデア~」を開催しました。

本プログラムは、商品開発やビジネスプランを学ぶ商学部生が、理工系発の技術シーズを基に、企業関係者や研究者・消費者との対話を通して事業化に向けたアイデアを創出するという、文理融合の取組みです。
開催4回目となる今年は、化学生命工学部・河原秀久教授(天然素材工学研究室)が開発した、まさにイノベーションの可能性を秘めた3つの技術シーズ、「接着タンパク質」「不凍タンパク質」「過冷却促進物質」を使用しました。
(接着タンパク質)エノキタケから抽出され、化学合成添加物を用いずに粘着性を付加するなどの物性を変化させる。
(不凍タンパク質)カイワレ大根から抽出され、冷凍時の品質劣化を抑制する等の効果を持つ。
(過冷却促進物質)コーヒー粕や餡粕から抽出され、冷凍できない果実や野菜等を未凍結保存できる可能性を持つ。

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コンテストでは、商学部の荒木孝治教授・西岡健一准教授・千葉貴宏助教ゼミに所属する学生7チームが参加し、餅やパン・大豆・おから・クッキーといった身近な食品に技術シーズを活用したビジネスプランを発表。会場には企業関係者や一般の方々を含め約150人が参加し、発表のみに終わらずフロアとの活発な議論も行われました。

発表後の結果発表では、参加者による投票により、おからを原材料とした商品展開「おからのチカラ~もったいない改革~」を提案した西岡ゼミC班がチャンピオンに決定しました。おからは産業廃棄物として扱われるが、実は栄養価が高い。同チームはそこに着目し、原料費を浮かすことによる低コスト展開ならびに、元来の長所を生かした健康食としての商品を開発。"接着タンパク質"および"不凍タンパク質"の2つの技術シーズ"と組み合わせることによって、おから特有の品質劣化が早いなどの問題点をクリアするなど、理に適ったビジネスプランを考案しました。代表の和田栞奈さん(商学部3年次生)は、「ゴミとされるおからを食材としてどう表現するかがポイントで苦労した。私たちの提案がどこまで受け入れてもらえるか不安だったが、うまく伝えられてよかった」と喜びの声を語りました。

技術シーズの提供者である河原教授は、講評として「年々プレゼンの質が上がっている。自身の研究の中でできなかったことにもチャレンジしてもらえたことを嬉しく思う。1つのシーズだけでなく、複数のシーズを組み合わせた商品開発をしたチームもあり、新しい素材の価値を見出せたのではないか」と述べました。またAjiCon全体の総括として、西岡准教授はこれまでの取り組みを振り返るとともに、今後の展望として「新しい価値を創造する市場を提供しなければならない」と、大学発の新しいビジネスシステムを提言しました。

過去には実際に商品化につながった事例もあるこのAjiCon。生鮮食品や農産物を取り巻く環境が厳しくなっている昨今、こうした取組みから生まれるビジネスプランが、食品に関わるさまざまな課題を解決する一助になることが期待されます。今回発表されたビジネスプランの今後の動向にも注目が離せません。

  • Ajicon
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  • Ajicon学生チームによるビジネスプラン発表(上)
  • Ajiconフロアとの対話
  • Ajicon技術シーズを説明する化学生命工学部・河原秀久教授
  • 161224_t_ajicon14_l.jpg総括を行う商学部・西岡健一准教授
  • Ajiconチャンピオンに決定した西岡ゼミC班
    AjiCon2016年12月21日開催 - Spherical Image - RICOH THETA