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関西大学創立130周年記念トークイベント「出版から考える戦後日本」を開催しました。

東京センターで21日、慶應義塾大学法学部・片山杜秀教授ならびに近畿大学文芸学部・大澤聡准教授をお招きし、竹内洋東京センター長を交えたトークイベント「出版から考える戦後日本」を開催しました。

このイベントは、本学と同様に今年創業130周年を迎えた河出書房新社と中央公論新社との共催で、長い歴史を有する両社の出版物を中心に、出版文化とは何なのかを戦後史から検証するものとして、講演と鼎談の2部構成で実施しました。

前半の講演で大澤准教授は、これまでの130年を「出版の時代」と意味づけ、戦前からの出版ブームの流れが60年代半ばに「知の商品化と大衆化」として完遂化したと説明。また、昨今学生をはじめとする若い世代は自らの感性でのカスタマイズ欲が強く、これまでの出版のあり方では難しい時代となってきたことを、60年代以降の教養主義の流れと出版物の流行とを重ねながら立証しました。
続いて片山教授は、これまでに収集された膨大な蔵書の一部を130枚のスライドに映して、明治期以降の両社の刊行物の特長とその変化を解説。雑誌の見出しや掲載された広告を例に当時の社会の様子を説明しながら紹介しました。

後半の鼎談では、ファシリテーターの竹内東京センター長が、全集等が数十万部売れ、読むかどうかは別として購入することで知的意識を高められた時代のエピソードを紹介。それを受けて、片山教授・大澤准教授の両氏は「自室の書架を他人に見られる事が恥ずかしさや自信につながる時代から、本は場所をとる邪魔者で完成された知識の押し付けと受けとられる時代に変化してきた。"デジタル化=情報化"で試される出版社の戦略、特に紙媒体でしかできないことに工夫を凝らしていくことが、これからの文化的教養のあり方を左右する」と、議論を交わしました。

  • 出版から考える戦後日本
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