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創立130周年記念特別講演会「食と健康」を開催しました。

千里山キャンパスで24日、発酵学者の小泉武夫氏と作家・エッセイストの阿川佐和子氏をお迎えし、創立130周年記念事業・特別記念講演会「食と健康」を開催しました。

まず基調講演として、小泉氏が「発酵はチカラなり」をテーマに登壇。古代エジプトの壁画や縄文時代の土器などを示しながら、「約5千年前から人類は酒を嗜んでいた」と、人類と発酵の歴史を紹介すれば、自身もこよなく愛する発酵食品の特徴について、「賞味期限が切れた食品の方がうまい」と冗談を交えながら、その優れた保存性などを力説しました。
さらに酢や納豆、味噌をはじめとする発酵食品すなわち、菌やカビが健康増進に及ぼす最新の研究成果に触れながら、「発酵はマジックだ」と究極の自然食品たる発酵食品の魅力を語り続ける小泉氏は、「自然界にはまだまだ価値のある微生物がいる」と今後の発酵食品の可能性にも言及しました。

その後、阿川氏との対談に移ると、阿川氏の絶妙な合いの手によって小泉氏の勢いはさらに加速。「食」や「発酵」の研究に奔走するあまり、これまでに「味覚人飛行物体」「発酵仮面」「走る酒壺」といったあだ名が付けられ、「味覚人飛行物体」「発酵仮面」に至ってはなんと商標登録までされたそう。そんなコミカルなエピソードに会場は何度も沸きました。
そして対談は「世界一臭い食べ物」と評されることもある「シュールストレミング」の話題に。そのあまりに強烈な臭いは、消防車を呼ぶほどの異臭騒ぎを招いたことも。阿川氏に「食べたの?」と問われた小泉氏は、「もちろん」と間髪入れずに答えるやいなや、続けてその味を説明。「イカの塩辛?くさやの漬け汁?鮒寿司?銀杏?はたまた人間の・・・」とまたしても会場の笑いを掻っ攫いました。

最後は意外にも人間の便の話に。形・・・色・・・臭い・・・等々、小泉氏が健康なそれの判断基準を真剣に披露すると、それを生成する腸の機能の話に発展。「腸は人間の免疫の約8割を生成する部位。医学界では、健康維持・長生きのためには『脳より腸が重要』と言われるほど。腸を強くするには、納豆、味噌汁など免疫を高くする発酵食品を食べなければならない」と小泉氏。さらに、健康に絶対的に有効と自身が考える味噌汁の具材にも触れながら、「和食のベースになる『一汁三菜』も、2種類の発酵食品がないと成立しない」と、その重要性を語りました。
二人の息の合った軽快でリズミカルな掛け合いに、聴衆のみならず当人らも時間を忘れ、気づけば閉幕の時刻を迎えた対談は、ほぼ満席で埋めつくされた会場からの大歓声と拍手で締めくくられました。

「丸ごと小泉武夫マガジン」での掲載記事

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