関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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第13回三大学連携事業によるシンポジウムを開催しました。

千里山キャンパスで4日、大阪市立大学・大阪府立大学との連携事業によるシンポジウムを開催しました。

最初にスポーツ評論家の玉木正之氏が、「今、スポーツ文化の構築が始まる-体育からスポーツへ-」というテーマで基調講演を実施。玉木氏は、日本において「スポーツ」=「体育」として捉えられていた歴史を紐解きながら、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を控え、日本国内のスポーツに対する捉え方が、「自分で計画を立てプロジェクトを遂行する『スポーツ・インテリジェンス』の時代へ変化している」と述べました。その上で、障がい者スポーツの重要性にも触れ、全ての人々が同じステージに立つことにより物事の判定基準も変わっていく必要性について言及しました。

基調講演を受けて、大阪市立大学都市健康・スポーツ研究センター副所長の渡辺一志氏、大阪府立大学学長補佐で地域保健学域長の奥田邦晴氏、本学人間健康学部教授の杉本厚夫学生センター副所長(兼司会)を加えて、「ウェルビーイング スポーツ文化と健"幸"」をテーマにパネルディスカッションを行いました。
渡辺氏は「健康・スポーツ科学の役割」と題して、スポーツを「自主的に行う」「自己目的的な行為」であると位置づけた上で、「健康で豊かなライフステージの実現を担う重要な文化の一つである」との考えを示しました。さらにさまざまな科学的データを基に、「高度化」と同時に「大衆化」する現代におけるスポーツの多様性についての考察を披瀝しました。

また奥田氏は、日本における障がい者スポーツの現状と課題を整理した上で、スポーツを通じて全ての人々が活躍できる社会をつくるための一環として、ヨーロッパで考案された競技スポーツ「ボッチャ(Boccia)」の普及促進活動を紹介しました。さらに、学生と共にさまざまなエビデンスを構築し、全ての人々が活躍できる「人の可能性」を社会に発信するという、自身の研究室における取組みを説明しました。

そして杉本教授は、近年のスポーツ文化が成長期から成熟期に入っていることに触れつつ、大阪マラソンの調査研究等の考察から、「画一化から多様化へ」「日常から非日常へ」「参加から参画へ」「移動する観客」「交換から贈与へ」「孤立から一体へ」といった6つの特徴があることを指摘。「未来に向けてスポーツがどのような文化になればよいか」を念頭に、「"スポーツ文化"と"健康"、"幸せ"が相互に密接な関係を持っていることの重要性を再認識すべき」と提言を行い、シンポジウムは締めくくられました。




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