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髙谷光信氏による客員教授講演会を開催

 千里山キャンパスのKUシンフォニーホールで10月6日、本学客員教授でウクライナ・チェルニーヒウフィルハーモニー交響楽団常任指揮者、一般社団法人日本ウクライナ音楽協会理事長を務める髙谷光信氏による客員教授講演会を開催しました。「戦争と音楽 ~ウクライナ・ロシア音楽業界の今~」をテーマに講演とミニコンサートが行われ、参加した学生らは、戦争下における音楽の意義や平和について理解を深めました。

 髙谷氏は、自身が20年以上にわたり常任指揮者を務めるウクライナのチェルニーヒウフィルハーモニー交響楽団との交流を振り返りながら、スラブ音楽に込められた「自由を希求する心」について語りました。ウクライナ国立チャイコフスキー記念音楽院(現:ウクライナ国立音楽アカデミー)への留学を契機にウクライナとの関わりを深めた髙谷氏は、現地での音楽活動を通じて学んだ価値観や、音楽が人々の暮らしの中で果たしている役割について紹介しました。

 また、2014年のマイダン革命や2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降の現地の状況にも触れ、「音楽を奏でる自由」を守ろうとする音楽家たちの思いを伝えました。文化予算の削減に揺れる中、楽団員から「ずっと音楽をしていたいんだよ」と訴えられたエピソードを交えながら、音楽を自由に続けられることの尊さを語りました。

 さらに、戦争によってウクライナだけでなくロシアの音楽家たちも苦悩や分断に直面している現状について説明。多くの楽団員が避難や従軍を余儀なくされる中でも演奏活動を続ける人々の姿や、国境を越えて活動してきた音楽家たちが置かれた厳しい状況を伝えました。髙谷氏は「音楽に国境はない」と強調し、音楽には人々の心を支え、平和や命の価値を伝える力があると訴えました。

 講演の最後には、「自由に学び、夢に向かって歩めることは決して当たり前ではない。そのことを十分にかみしめて、自分自身の人生を切り拓いていってください」と学生たちへメッセージを送り、「すべての人が自由に人生を全うできる社会を築いていかなければならないのは、今を生きる私たち一人ひとりなのです」と呼びかけました。

 第2部のミニコンサートには、テノール歌手の中島康博氏とピアニストの釜﨑禎氏が出演。ロシア民謡『果てもなき荒野原』、ウクライナ出身のカプースチンによるピアノ独奏曲『変奏曲 作品41』、そしてロシアの愛唱歌として広く親しまれる『カリンカ』が順に披露され、力強くも情感豊かな歌声と鮮やかな演奏が会場を魅了しました。
 続く第3部「みんなで『故郷』を歌おう」では、出演者と来場者が一体となって合唱。世代を超えて親しまれてきた唱歌をともに歌い、会場はあたたかな一体感に包まれました。

 本講演会は、参加した学生らにとって、戦争と平和の現実を見つめ直すとともに、音楽を通じて自由や人とのつながりの大切さを深く考える契機となりました。

指揮者 髙谷光信ホームページ
一般社団法人 日本ウクライナ音楽協会のウェブサイト

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