KANDAI
TOPICS日常の出来事

本学では、在学生や教職員の人権意識を高めるため、毎年春と秋に人権問題に関する講演会を開催しています。
堺キャンパスで5月14日、春季人権啓発行事として、教育評論家で「尾木ママ」として知られる尾木直樹氏(臨床教育研究所「虹」所長、法政大学名誉教授)を講師に迎え、「子どもと大人のパートナーシップ時代~子どもの人権を考える~」をテーマに講演会を開催しました。当日は対面で約130人、オンラインで約250人が参加しました。
尾木氏は長年にわたって教育現場に携わり、いじめや不登校、子どもの権利に関する課題に取り組んできました。近年は包括的性教育の普及にも尽力し、子どもを取り巻く環境の改善に向けた発信を続けています。
講演で尾木氏は、コロナ禍や環境問題、国際情勢、デジタル化の進展など、これまで大人が経験してこなかった課題に直面している現状を指摘しました。さらに、不登校やいじめの増加、自己肯定感の低さといった問題を挙げ、現代の子どもたちの生きづらさに対して理解を深めることの重要性を示しました。
続いて、「こども基本法」の施行や「こども家庭庁」の発足といった子どもの権利を重視する動きが進んでいることに触れ、「子どもの権利条約(児童の権利に関する条約)」の精神に基づき、子どもが大人と同じように一人の人間として権利を持つ主体として尊重されることの重要性を強調。また、ブラック校則や大人中心の管理的な教育のあり方に疑問を投げかけ、子どもの意見表明権や「生きる・育つ・守られる・参加する」権利の保障について説明しました。
さらに尾木氏は、近年、社会的な関心が高まる包括的性教育についても取り上げ、それが単なる知識の習得にとどまらず、人権や人間関係を含めて体系的に学ぶものであると説明。子どもを取り巻くリスクが多様化する中で、子どもだけでなく大人も意識を高めて学び続けることが必要であると述べました。
講演は終始和やかな雰囲気の中で進められ、尾木氏が参加者にたびたびマイクを向けて発言を促すなど、双方向型で展開されました。
最後に尾木氏は、子どもと大人が互いに尊重し合う関係性を築くためには「相手の声に耳を傾け、共感し、寄り添う姿勢」が不可欠であると述べ、「日常の中で大人が『どうしたの?』と声をかけることが、子どもたちの安心につながる」と参加者に語りかけました。
参加した学生からは、「子どもの人権問題への理解が深まりました」「ユーモアがあり、私たち学生に寄り添った講演でした」「長年教育に携わってこられた講師の言葉に温かいことばが心に響き、貴重な経験となりました」などの感想が寄せられ、講演内容への関心の高さと理解の深まりがうかがわれました。
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