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TOPICS日常の出来事

吹田みらいキャンパスで10日、本学客員教授で日本のAI研究を牽引する松尾豊氏(東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻/人工物工学研究センター 教授)を招き、「AIの進展とこれから必要になる力」をテーマに講演会を開催しました。会場にはビジネスデータサイエンス学部の学生を中心に約300人が集まり、熱心に耳を傾けました。
講演で松尾氏は、2025年8月に発表されたGPT-5やGoogle LLCがリリースしたGemini 3.0など、世界をリードするAIモデルの進化を紹介。これらのモデルは博士号レベルの推論能力や高精度なマルチモーダル(複数の異なる情報を統合して処理する能力)を備え、国際数学オリンピック・国際プログラミングコンテストで人間のトップ層を上回るなど、AIの性能が質的転換点を迎えていることを強調しました。また、AIの高度化に伴う産業構造の変化にも言及。アメリカのテック企業では、AIによる業務効率化を背景としてジュニアエンジニアの採用が減少するなど、雇用への影響が現実化していることを指摘しました。
さらに、タスクを自律的に遂行する「AIエージェント」や、人型ロボットの進化についても解説した松尾氏。AIエージェントについては、情報収集から意思決定、外部ツールの実行までを自律的に行えるようになり、来年には「人間が8時間かける作業を自動で完遂できるレベル」に達するとの予測を述べました。ロボティクス分野では、国際大会で披露されたヒト型ロボットの走行・格闘といった高度な動作や、松尾氏が設立した一般社団法人AIロボット協会(AIRoA)による社会実装の加速など、生活にロボットが溶け込む未来が現実味を帯びていることを語りました。
参加した学生からは、「AIについて改めて考え直すきっかけになった」「技術だけでなく社会やビジネスの視点も学べた」「プログラミングの知識を学ぶだけでは不十分だと実感した」など多くの感想が寄せられ、講演の意義深さがうかがえました。
ビジネスデータサイエンス学部では、最前線の知に触れる機会を継続的に提供し、学生一人ひとりがAI社会を生き抜き、未来を創る力を身につけられる学修環境づくりを推進していきます。
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