『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』 ティーチイン試写会in関西大学を開催

 太平洋戦争でパラオ諸島のペリリュー島での激戦に参加した兵士たちの戦火の友情を描く『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』公開を記念し、映画の試写会および映画に声優として出演した俳優の板垣李光人氏と関西大学の学生によるティーチイン・セッションが1日、千里山キャンパス第3学舎ソシオAV大ホールで開かれました。映画を通じて、学生たちが戦争の記憶と向き合う機会となりました。

 本イベントの企画・運営にあたり、本学社会学部の齊藤ゼミと東映株式会社が協力。齊藤ゼミは戦後80年となる今年、「関大から見る戦争の記憶」と題して戦争関連資料の調査を行いました。関西大学博物館などの取材を経て、戦争の悲惨さと平和の尊さを多角的に伝えるためのドキュメンタリー動画を制作。この活動を知った東映からの働きかけでこのイベントが企画されました。戦争体験者が減少する中で「資料を通して語り継ぐ」意義と可能性を探っています。

 ティーチイン・セッションでは、ゼミの学生から板垣氏が演じた主人公・田丸の「功績係」という仕事をめぐる葛藤について、平和・戦争に対する考えが変わったかどうか、「言葉」をめぐって考えていることなどの質問が出ました。板垣氏はペリリュー島を実際に訪れた経験から、「実際に防空壕跡などを訪れたことで、教科書でしか知らなかった戦争を現実のものとして突き付けられました」「（戦争や戦場について）知った人が伝えて、知ることの連鎖が起こるきっかけになれば良いと思います」と述べました。

 司会を務めた齊藤ゼミ4年次生の塩田涼乃さんは、「ゼミで戦争についてのドキュメンタリー動画をつくるのは難しい作業でしたが、戦争を知るきっかけになり、やりがいがありました。それが外部の人たちに届いてこのようなイベントにつながったことがうれしいです。当日の進行・運営もゼミで役割を分担し、上手くできたと思います」と話しました。

 本作品は、全国の劇場にて公開中（配給：東映株式会社）。

映画『ペリリュー ―楽園のゲルニカ―』 公式サイト