KANDAI
TOPICS日常の出来事

大阪医科薬科大学で1月18日、関西大学・大阪医科薬科大学 医工薬連環科学教育研究機構の事業の一環として、「次に備える災害医療 ~医工薬の視点から~」をテーマに第20回 医工薬連環科学教育研究機構シンポジウムが開催されました。
はじめに、大阪医科薬科大学の3学部の教員が、それぞれの切り口で"災害医療"に関する講演を行いました。医学部助教の雨宮優氏は、「能登半島地震における大阪医科薬科大学の実働について」をテーマに、災害時において、各地から被災地に集まった医療関係従事者に情報を共有し支援活動を進めることの難しさを解説。「災害時医療における『漢方薬』という選択肢」について講演した薬学部教授の芝野真喜雄氏は、時間の経過や状況とともに変化する被災者の心理的反応に対する漢方薬の有効性について述べました。また、看護学部助教の堀池諒氏は、「能登半島地震における保健師活動支援WebGISの活用」をテーマに掲げ、現地での保健師活動や下調べ等に利用できるWebGIS(地理情報システム)の活用法や平時の取り組みについて話題を展開。実際に現場で活動を行った各講師の生の声に、参加者は熱心に聞き入りました。
次に、本学社会安全学部の奥村与志弘教授が「災害関連死多発社会にどう立ち向かうか」をテーマに特別講演を行いました。奥村教授は、阪神淡路大震災発生から30年を迎えるまでの防災対策の変遷についての解説を皮切りに、さまざまな分野の連携や、マニュアルに縛られない柔軟な対応の重要性を説明。また、災害関連死は避難者数に比例して発生率が高くなるとの分析や、災害関連死の発生規模の予測や発生状況の把握が困難であったことを教訓とした防止策などについて、具体的な事例も交えて述べました。ほか、災害対策として普段からできる備えや南海トラフ巨大地震から命を守るために今できることについても熱弁した奥村教授。講演後には参加者から、「新しい視点で物事を見ることができ、大変勉強になりました」「南海トラフ巨大地震に備え、何が出来るのか考えるきっかけになりました」などの感想が寄せられました。
閉会の挨拶で本学の高橋学長が述べた通り、医工薬連環科学教育研究機構は本学と大阪医科薬科大学が連携し、災害医療が果たす役割等も含めて医学・看護学・工学・薬学の専門分野の境界を越えて教育研究活動を行い、今後も社会貢献に努めていきます。
大阪医科薬科大学医学部助教 雨宮優氏 同薬学部教授 芝野真喜雄氏 同看護学部助教 堀池諒氏
- ホーム
- 関西大学について
- 大学広報・プレスリリース
- トピックス 一覧
- トピックス 詳細