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TOPICS日常の出来事

千里山キャンパスで17日、本学客員教授で「地方の時代」映像祭プロデューサーの市村元(いちむら・はじめ)氏が「限りある地球~6度目の大絶滅は避けられるか~」をテーマに講演しました。
市村氏は、TBS報道局で記者、パリ支局長などを経て「ニュース23」担当部長、「報道特集」プロデューサーを歴任。その後、テレビュー福島常務取締役を務め、2009年から現職に就いています。
いま、地球環境に何が起きているのか。地球の未来はどうなっていくのか。本講演では、長年にわたって報道の分野で世の中に事実を伝え続けてきた市村氏が、各方面・機関の資料やメディアが捉えた映像を交えてリアルに解説しました。
冒頭で「約82億人という人口を、この先も地球は養っていけるのか」と疑問を呈した市村氏。話題は、地球生命史において大量絶滅が5回起きたことや人類の歴史に始まり、近代の人口の推移とその要因、現在に至った経緯について説明。産業革命後に人びとの活動が活発になり人口が増え、この先、世界の人口は2080年代に103億人となりピークを迎えるという国連の推計にも触れました。また、「世界中の人が日本と同じような生活をした場合、地球が2.9個必要」といったデータを紹介し、先進国での自然資源の消費量が地球全体の供給量を上回っている状態について「エネルギーを浪費しすぎている」と指摘し、既に限界を超えていることを示しました。
続いて、世界の食料危機や環境破壊の現状について各局が制作した映像を上映。市村氏がパリ支局時代に度々取材に訪れたアフリカのチャド難民キャンプでの気候変動の影響による食料不安、干ばつにより消失した南米チリの湖、日本の専門家チームが北極で行った現地調査で永久凍土が急速に溶けていることによりメタンガスの放出と温暖化加速の悪循環が生じていること、オーストラリアや米・カリフォルニアでの山火事の惨状などが次々と映し出され、地球上の至るところで環境が危機的状況にさらされている現実を知らされました。
市村氏は、ようやく動き始めた国際社会の環境への取り決めや取り組みについても紹介しつつ、それ以上に人類の営みによって環境破壊が加速化していることに危機感を持つよう訴えました。
最後に、学生らに「私たちは、今、何をすればいいのでしょうか」という問いを投げかけた市村氏。未来の地球環境への警鐘を鳴らすとともに、一人ひとりが持続可能な世界について考え行動するためのきっかけを与える貴重な講演となりました。
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