関西大学 KANSAI UNIVERSITY

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片岡愛之助客員教授による講演会を開催

 千里山キャンパスで10月24日、客員教授の片岡愛之助氏による講演会「伝統と挑戦~上方文化のこれからに向けて~」を開催しました。

 愛之助氏は、歌舞伎界の次代を担う花形役者で、現在では数少なくなった関西在住の歌舞伎役者の一人です。十三代目・片岡仁左衛門の部屋子、二代目・片岡秀太郎の養子となり、六代目として片岡愛之助を襲名。歌舞伎を中心に、舞台・映画・ドラマ・CM等幅広く活躍中です。
 本学と同じ大阪の地で、上方文化・歌舞伎を通じて挑戦を続け、上方の力になりたいという想いを持たれていること、また、堺キャンパスのある堺市出身という縁があり、2022年度から関西大学客員教授に就任しました。

 冒頭で、「歌舞伎を見たことがない方」と学生らに問いかけた愛之助氏。多くの手が挙がる光景を見ると、気軽に足を運ぶのが難しいイメージのある歌舞伎について、様々な切り口から魅力を語りました。

 次に、自身のあゆみを、貴重な写真を披露しながら紹介。堺市で船舶スクリューの製造会社を営む一般家庭の長男として生まれ、ドラマや舞台に出演していた子役時代から、歌舞伎の世界へ入り「片岡愛之助」として活躍する現在に至るまで、当時のエピソードを交えて語る愛之助氏の話に、聴講者は一心に聴き入りました。

 また、歌舞伎独自の演出や表現などのうち、「隈取」「黒子」といった広く知られている用語について、時折学生に問いかけながらその意義を説明。「和製ミュージカル」とも称される歌舞伎の起源や分類、江戸と上方の違い、歌舞伎独自の演出や表現などを、多くの写真や実演を交えて解説しました。愛之助氏は、伝統芸能を継承する使命感、変化することへの覚悟、そして上方歌舞伎にこだわり続ける思いを語り、「まずは劇場に足を運んでください」と呼びかけて講演を締めくくりました。

 最後の質疑応答では、「歌舞伎と映像作品との違い」「新作や現代的な演目における横文字の表現方法」「伝統的な古典歌舞伎と、新作への挑戦のバランスについて」などについての相次ぐ質問に対し、質問者一人ひとりに向けて丁寧に回答。「厳しい世界において、辞めたいと思ったことはありませんか」と寄せられた質問へは、「周りの方に恵まれていたこともありますが、捉え方によるところも大きいと思います」と、経験談から学生へメッセージを送りました。

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