関西大学 KANSAI UNIVERSITY

KANSAI UNIVERSITY

KANDAI 
TOPICS
日常の出来事

  • 教育・研究

経済学部・植村邦彦教授が最終講義を実施

  千里山キャンパスで1月19日、経済学部・植村邦彦教授が最終講義を実施しました。

  植村教授は「社会思想史」を専門として教育・研究を行い、国内外でその知見を広めながら1994年に本学に着任。以来28年の間、資本主義世界システムをめぐる思想史などの研究や丁寧な学生指導に注力するだけでなく、経済学部長・経済学研究科長や要職を歴任し、大学の発展に尽力しました。

  最終講義のテーマは「社会思想史とは何か -その方法と「物語」-」。高校生だった1968年、チェコ事件に衝撃を受け、世界が大きく動く根底にあるものは経済学だと感じて大学では経済学部に進学したこと、学生時代に社会思想史や恩師に出会ったことなどを懐古し、「支配する側の言説に寄り添いながら、それが明らかにしてしまう矛盾に対し自分なりに何ができるか模索してきました」と自身の研究生活を振り返りました。またAlbert O. Hirschmanの"The Passions and the Interests"を紹介し、「社会思想史は解決策を示すことはできないが、考えるための議論のレベルを上げることはできる」と学ぶ意義を示しました。

  植村教授は著書の執筆にあたり、授業での学生からの質問や反応を見ながら練り上げたことに触れ、「学生との関わりや研究生活は自分にとって大切な時間で、28年間続けられたことは本当に幸せでした」と感謝の言葉を述べた後、集まった学生に「自分にとって当たり前だと思うことに疑問を持ってください。議論のレベルを上げることで自分が幸せに生きていくための選択肢を広げてほしい」とエールを送りました。

  • 植村邦彦教授最終講義
  • 植村邦彦教授最終講義
  • 植村邦彦教授最終講義