KANDAI
TOPICS日常の出来事
本学ではすべての構成員の人権意識を高めるため、学内外関係者の協力を得て、独自の人権啓発行事を実施しています。
堺キャンパスで12日、「子どもの貧困と支援」をテーマに人権啓発講演会を開催しました。講師にはNPO法人大阪子どもの貧困アクショングループ(CPAO)の代表を務める徳丸ゆき子氏を迎え、母子家庭が直面する貧困問題やその社会的背景について学びました。
2012年、日本の子どもの貧困率は、1986年の調査開始以来最も高い16.3%に達しました。現在も子どもの6人に1人が貧困状態にある中、その半数以上を一人親世帯が占めています。母子家庭の場合、働く母親の多くが非正規雇用であることも深く関係し、今後も国の貧困対策だけでなく、住宅・教育・雇用政策など総合的なアプローチが急がれます。
徳丸氏は「ワーキングプアに地域格差があるように、貧困状態も全国一様ではない」と数値の印象だけで分析する危険性を示唆。シングルマザー100人の聞き取り調査結果を説明しながら、「いかに当人らの状況を聞き取り、個々の思いや必要としていることを把握・対応していくかが重要」と述べました。
CPAOではモデル事業として、「まずは、ごはん!」からつながり合うコミュニティづくりなど、さまざまな人との出会いや機会を提供しながら、母子の心をほぐす取り組みを行っています。徳丸氏は「貧困状態の子どもは絶望感に打ちひしがれていることも多い。大学生にできることは、子どもひとり一人の話をしっかり聞き、思い切り遊ばせるなどたくさんある。現代の子どもの貧困について知り、小さな活動からでもぜひ始めてほしい」と熱意あるメッセージを送りました。
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