関西大学 KANSAI UNIVERSITY

KANSAI UNIVERSITY

KANDAI 
TOPICS
日常の出来事

  • 教育・研究

池澤夏樹客員教授講演会を開催しました。

千里山キャンパスで5日、文学部が、作家の池澤夏樹客員教授による授講演会を開催しました。

講演会では、『日本文学全集』の編集・出版を行った経緯やエピソードを紹介。
1980年以降における『日本文学全集』の人気低迷の理由について池澤氏は、「読書=教養から、読書=娯楽に変化し、出版会社が売れる本を選別して出版するようになった」と分析。

『世界文学全集』を出版した経緯として、「世界で起きた時代の変化について、文学はどのように表現しているのか、横断的に読み取れる全集を作りたいと思いました」と、文学全集を出版するにあたり独自の視点で作品を厳選したことを説明しました。
池澤氏は、「『世界文学全集』とは、国境を越え翻訳されても普遍的なもの」だと、その魅力を伝えました。

『日本文学全集』を出版するにあたり工夫した点として、担当した『古事記』を取り上げ、登場人物の名前表記にひと工夫したことや、『古事記』のストーリーの流れが読者に伝わるよう、文中の説明を注釈で表記していることを挙げました。また、各文集の翻訳を翻訳家に依頼せず、作家に翻訳を任せたことは、文体を重視したからだと解説。
池澤氏は、「文学を通じて自身が何者であるかを確認してほしい」と聴講者に話しました。

  • 池澤夏樹客員教授池澤夏樹客員教授池澤夏樹客員教授