文学研究科
博士課程後期課程(哲学専修)
哲学専修は、哲学・哲学史、哲学・倫理学、比較宗教学、美学・美術史研究の4つの専修科目をもち、それぞれの専門領域で、演習科目と各種の講義科目を開講している。院生はそれぞれ専門学会に所属し、研究発表、論文投稿を重ね、博士号取得を目指す。指導教員との密な研究指導をベースに、各種の読書会、研究会も組織されている。美学・美術史研究分野では、学芸員などの専門職につくことを志望する者も多い。
哲学・哲学史研究
古代ギリシアに始まり現代に至るまで西洋哲学の中で論じられてきた事柄(世界、人間存在、真理、自己、他者など)を、歴史的変遷を顧みながら考察する。演習では、原典を精読しながら個々の問題について討議する。あわせて、学位論文作成のための指導をする。
【担任者および研究テーマ(概要)】
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研究テーマ:身体現象学と体験過程理論
フッサール現象学における身体論を研究するとともに、臨床心理学者で哲学者のジェンドリンが提唱したフォーカシング指向心理療法、体験過程理論を取りこんだ現象学の可能性について考察している。
哲学・倫理学研究
倫理について自明のことを根源から問い直す哲学的考察を行うのが倫理学である。善・正義・義務・幸福など古代から現代にいたる伝統的問題について考察を深めるとともに、生命倫理学や環境倫理学をはじめとする応用倫理学を参照して現代固有の具体的問題を探究する。演習では、それぞれの学生の研究テーマに沿った指導をあわせて行う。
【担任者および研究テーマ(概要)】
比較宗教学研究
世界3大宗教をはじめとして、世界中の多種多様な宗教を多彩な方法で研究することができる。各宗教がもつ聖典や教義の宗教哲学的研究や、各宗教の通時的かつ共時的な構造の比較思想的究明に留まらず、宗教儀礼や教団に関する実証的研究、聖地調査などフィールドワークを中心とした宗教人類学的研究、宗教学の諸理論や方法論の研究を行うことも可能である。
【担任者および研究テーマ(概要)】
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研究テーマ:①無縁社会における宗教の可能性 ②宗教の物語論的構造
- ①「無縁社会」と呼ばれる今日の日本社会において、宗教がいかなる「貢献」をなしうるのかを、社会活動に従事している宗教者と共同で研究中。
- ②聖徳太子伝や新宗教の教祖伝などの解釈を通じて、神話=歴史的な多様な物語の救済論的構造を探究する。
美学・美術史研究
芸術学美術史専修では、美学、芸術学、パフォーミングアート(演劇、演芸、音楽)、日本・東洋・西洋・世界美術史(絵画、彫刻、建築、工芸他)、映像、メディア、デザイン、ファッション、作品修復などを研究対象とする。演習では、受講生の研究テーマに即して、先行研究や原典テクストの講読、フィールドワークをもとに討論や発表を行う。講義では、専任教員以外の講師を他大学や美術館などから招き、最新の研究動向を紹介している。受講生は、関連学会(関西大学芸術学美術史研究学会)、美学会、美術史学会 その他国内外の学会での発表と並行して、博士論文の完成をめざす。
【担任者および研究テーマ(概要)】
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研究テーマ:中・近世の仏教美術史
鎌倉時代後期から江戸時代に至る仏教美術史に関する研究を行っている。特に製作プロセスや造像組織についての調査研究を主眼としている。
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研究テーマ:欧米日の近代美術史、現代美術
- 欧米日の19世紀以降の美術、特に1950年代の抽象表現主義的動向を研究。また、「具体」グループなど、関西での前衛的な動向のフィールドワークにも力を入れている。
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研究テーマ:芸術作品の再制作を主要関心とする芸術学、および演劇論
いわゆる「パロディ」ばかりでなく、芸術作品/アートの制作の現場においては、再制作の様相を見逃すことはできない。これを関心の主軸にすえつつ、主としてパフォーミングアーツを対象としながら、芸術学の研究を行っている。