関西大学 文学部

文学研究科

博士課程前期課程(哲学専修)

哲学専修は、哲学・哲学史、哲学・倫理学、比較宗教学の3つの専修科目をもち、それぞれの専門領域で、演習科目と各種の講義科目を開講している。各分野の古典や重要文献を読みこなす研究、学問横断的に現代的なトピックを考察する学際的な研究、フィールドワークを含む研究など、大学院生の関心に応じて多様な授業が提供されている。他大学の大学院生も含めた読書会・研究会なども組織されている。

哲学・哲学史研究

古代ギリシアに始まり現代に至るまで西洋哲学の中で論じられてきた事柄(世界、人間存在、真理、自己、他者など)を、歴史的変遷を顧みながら考察する。演習では、原典を精読しながら個々の問題について討議する。あわせて、学位論文作成のための指導をする。

【担任者および研究テーマ(概要)】
  • 三村 尚彦教授

    研究テーマ:身体現象学と体験過程理論

    フッサール現象学における身体論を研究するとともに、臨床心理学者で哲学者のジェンドリンが提唱したフォーカシング指向心理療法、体験過程理論を取りこんだ現象学の可能性について考察している。

  • 山本 幾生教授

    研究テーマ:現実の形成のなかでの現実と実在と無の関係および生の在り方

    現実はどのように形成されるのか。実在と無、そして人の生は、どのようにして相互に関わり合いながら現実を形成し、またその中で変容していくのか。ショーペンハウアー、ディルタイ、ハイデガーなどを手掛かりにして考える。

哲学・倫理学研究

倫理について自明のことを根源から問い直す哲学的考察を行うのが倫理学である。善・正義・義務・幸福など古代から現代にいたる伝統的問題について考察を深めるとともに、生命倫理学や環境倫理学をはじめとする応用倫理学を参照して現代固有の具体的問題を探究する。演習では、それぞれの学生の研究テーマに沿った指導をあわせて行う。

【担任者および研究テーマ(概要)】
  • 木岡 伸夫教授

    研究テーマ:日本哲学の原理解明にもとづく多元主義的な地理哲学の理論構築

    近代日本の哲学者が西洋哲学の媒介によって自覚した論理、特に西洋のロゴス的論理に対する東洋的なレンマ的論理(山内得立)の意義を追究しつつ、関心を共有するフランス人地理学者オギュスタン・ベルクに呼応して新たな地理哲学の基礎づけを図っている。

  • 品川 哲彦教授

    研究テーマ:①倫理学、②応用倫理学、③現代哲学

    現象学の研究から出発し、応用倫理学を介して(主に近現代の)倫理学全般に研究を広げてきた。とくに倫理理論の基礎づけ問題にとりくみ、正義・責任・ケア概念の解明を進めている。

  • 中澤 務教授

    研究テーマ:西洋古代哲学、倫理学

    ①ソクラテス以前の自然哲学、ソクラテス・プラトン・アリストテレス、ヘレニズム期の哲学など、古代ギリシアの哲学および倫理学全般を研究している。

    ②西洋の倫理学の問題全般を、現代の応用倫理学を含め、研究している。

比較宗教学研究

キリスト教・仏教・イスラームの世界3大宗教をはじめとして、世界中の多種多様な宗教を多彩な方法で研究することができる。各宗教がもつ聖典や教義の比較思想的研究や文献学的研究に留まらず、宗教儀礼や教団に関する実証的研究、聖地調査などフィールドワークを中心とした宗教人類学的研究、宗教学の諸理論や方法論の研究を行うことも可能である。

【担任者および研究テーマ(概要)】
  • 井上 克人教授

    研究テーマ:道元・西田・ハイデガーをめぐる宗教哲学、東西比較思想、日本思想史、明治期アカデミー哲学の系譜

    道元禅の哲学的特質、『大乗起信論』に見る如来像思想および華厳哲学、西田幾多郎および田辺元に代表される京都学派の哲学および鈴木大拙の思想の再検討、ハイデガー哲学における根拠と同一性の問題、明治期の哲学思想。

  • 小田 淑子教授

    研究テーマ:イスラームの宗教性、宗教共同体、日常性の宗教、宗教学方法論

    シャリーアの救済論的意義を考察し、教会制度のないイスラームの共同体(ウンマ)とシャリーアの関係を考察してきた。日本的宗教とイスラームとの比較研究も試み、宗教の実証的研究と宗教哲学的研究の交流/統合を可能にする方法論を考察している。

  • 宮本 要太郎教授

    研究テーマ:①無縁社会における宗教の可能性 ②宗教の物語論的構造

    • ①「無縁社会」と呼ばれる今日の日本社会において、宗教がいかなる「貢献」をなしうるのかを、社会活動に従事している宗教者と共同で研究中。
    • ②聖徳太子伝や新宗教の教祖伝などの解釈を通じて、神話=歴史的な多様な物語の救済論的構造を探究する。
  • 酒井 真道准教授

    研究テーマ:知識論を中心とした7世紀以降のインド仏教思想史の解明

    宗教と哲学とが表裏一体の関係にあった中世インドでは、あらゆる宗教、宗派において、解脱に至る一つの道として正しい知識が探求された。本研究では、7世紀以降の仏教知識論の思想史を仏教徒と非仏教徒との間の論争を解明することを通じて明らかにする。