関西大学 文学部

文学研究科

博士課程前期課程(ドイツ文学専修)

ドイツ学専修では、ドイツ語圏の言語・文学・文化について幅広い研究をおこなうことができる。研究分野としてドイツ言語文化研究(1)とドイツ言語文化研究(2)があり、時代的には、前者が比較的古い時代を、後者が主として20世紀以降の現代を対象としている。時代区分を度外視して、おもにコミュニケーション能力を伸ばしたい学生には(2)が勧められる。ヨーロッパにおけるドイツの重要な役割を考慮し、どちらの研究分野においてもヨーロッパとの関わりが重視される。

ドイツ言語文化研究(1)

ドイツ語圏の言語・文学・文化について、時代的には8世紀から19世紀までの幅広い研究がなされる。歴史的・社会的な視点を持ちつつ、作品や資料を精読することによって読解力を養成する。専門は、工藤が初期新高ドイツ語期の言語・文化、ドイツ語史、芝田がドイツ近代文学、ドイツの宗教的思想・聖書翻訳研究であるが、それを越えて幅広くドイツ言語文化の総合的な教育研究がなされる。前期課程は高度な社会人養成をもめざしており、研究職にはつかないが、学部4年間に加えてさらに教養を深めたいという人にも広く門戸を開放している。なお、関西大学独逸文学会が毎年開催されており、原則として2年生段階で研究発表をしてもらう。

【担任者および研究テーマ(概要)】
  • 工藤 康弘教授

    研究テーマ:初期新高ドイツ語(14~17世紀)の統語論的、語彙的研究

    ①副文に現れた接続法の時制と主文の時制がどの程度一致しているかを分析することで、ドイツ語史における時制の一致の崩壊過程を明らかにする ②話法の助動詞möchteが可能の意味(~できる)から願望の意味(~したい)へ移行する歴史的過程を明らかにする ③14~17世紀におけるドイツ語の語彙を分析し、この時代の文献を読むための辞書を編纂する。

  • 芝田 豊彦教授

    研究テーマ:ドイツ文学における神秘・敬虔思想。フランクルの「意味」の思想。

    アルノルト、テルステーゲン、ヘルダーリン等の詩作品における神秘・敬虔思想を探求する。またシェーラー、アードラー、ユング等と対比しつつ、「意味」(Sinn)をめぐるフランクルの思想を考察する。

ドイツ言語文化研究(2)

主として20世紀以降のドイツ語圏の言語・文学・文化についての研究がなされる。ドイツ語のコミュニケーション能力を強化し、現代のドイツとヨーロッパの社会や文化について豊かな知識を身につけ、21世紀の国際社会の最前線で活躍できる人材の養成をめざしている。また学術的な基礎知識だけではなく、学問的な方法論も習得して、修士論文へつなげていきたい。担当者の専門分野は、ドイツ現代文学、現代文化・文化論、比較文化・文化論等であるが、それを越えて幅広くドイツ言語文化の総合的な教育研究がなされる。なお、研究職につかない学生の受け入れ、学会発表に関しては、ドイツ言語文化研究(1)と同様である。

【担任者および研究テーマ(概要)】
  • ローベルト・F.ヴィットカンプ教授

    研究テーマ:記憶研究・文化的記憶、物語論(narratology, [transmediale] Erzähltheorie)、テレビドラマ(連続形態、社会の自己描写、ドラマと記憶など)

    文学や他のメディアにおける記憶(風景の描写と記憶とのかかわり、四季としての文化的記憶など)。私のもう一つの研究テーマである物語論の問題提起は多種多様であり、例えば、あるストーリー(story)が他のメディアに語られると(映画化や漫画化)story自体も変化するか否か。詩歌にも物語性があるか。テレビドラマと物語論等々。